ハイケムのカーボンリサイクル(CCU)の取り組みについて
カーボンリサイクル事例① SEG®技術によるグリーンエチレングリコールの開発
ハイケムでは、C1ケミカル事業(※)として、合成ガスを原料とし非石油由来でエチレングリコールを製造するSEG®技術のライセンス販売及び触媒製造・販売事業を中国にて大規模に展開しています。SEG®技術とは石炭や天然ガス、産業排気ガスなどの合成ガスを原料とし、非石油由来でエチレングリコール(ポリエステル製造原料の一種)を製造する技術のことです。この技術は、UBE株式会社(以下、UBE)が保有する技術をベースにしており、UBEがDMO技術を当社にライセンスし、当社が中国の石炭開発企業などを中心にDMOを含めたSEG®技術をライセンスするという形で、ライセンスビジネスを展開しています。また、中国江蘇省南通市に触媒工場と日中に研究所保有しており、ライセンス企業へ自社で開発・製造した触媒を提供できる体制を整えています。これらの体制をベースに、カーボンリサイクルとして、バイオマス原料やCO2を原料とするエチレングリコ―ルの製造にも繋げるべく研究開発を進めています。
(※)C1ケミカル:1つの炭素原子を含む物質(CO、CO2など)の原料から化学製品を合成するための有機化学プロセス
カーボンリサイクル事例② CO2を原料とするパラキシレン製造に関する開発にも着手
ハイケムでは、2020年より富山大学、日本製鉄など日本の大手企業や大学と共同で国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業としてCO2を原料とするパラキシレン製造の技術開発に取り組んでいます。パラキシレンは、酸化させることで高純度テレフタル酸(PTA)となる基礎化学品です。また、前述のとおり、SEG®技術をベースにCO2由来のエチレングリコールの開発にも取り組んでいます。これらのCO2由来のテレフタル酸とエチレングリコールを反応させることで、ポリエステル繊維やペットボトルの原料として利用することができるPET(ポリエチレンテレフタラート)を得ることができます。従ってハイケムでは、これらの技術開発に取り組むことで、カーボンリサイクルとしてCO2を原料としたポリエステル繊維を開発し、CO2から洋服を製造する技術開発に繋げることができると考えています。