生分解性コンパウンド樹脂:PCO2(商品名)

高い水蒸気バリア性を有するコンパウンド樹脂

中国の素材メーカー江蘇華盛材料科技集团有限公司(以下華盛グループ)の傘下である南通龍達生物新材料科技有限公司と総代理販売契約を締結し、PBATを用いた生分解性コンパウンド樹脂「PCO2(商品名)」のペレット及びフィルム成形品の日本での販売を行っています。

特長

ポリエチレンに似た特性で農作物を効果的に保護

●優れた水蒸気バリア性※
通常、生分解性を有するフィルム成形品はポリエチレン製に比べると水蒸気バリア性が低いのが一般的です。一方、PCO2は高い水蒸気バリア性(ポリエチレンに近い)を実現しており、農業用マルチフィルムなどに用いることで、土壌水分の蒸発を抑える効果も期待でき、土壌温度が緩やかになることで農作物に良好な環境を作り出すことが可能です。
●優れた力学特性
強度などの力学特性が高くポリエチレン製と同様の軽くて薄いフィルムの製造が可能です。また、この優れた特性により高齢化が進む農家において、農業用マルチフィルムの廃棄などに関わる作業負担を減らす効果も期待できます。

※水蒸気バリア性とは、水蒸気を遮断する特性であり、農業用マルチフィルムや包装フィルムでは重要な特性です。通常は水蒸気透過度(WVTR/JIS:K7129)で評価されています。

優れた生分解性で土壌に堆肥化

PBATのコンパウンド樹脂であるPCO2は優れた生分解性を有しています。このPCO2を用いた農業用マルチフィルムの実験では、約6カ月で土壌への堆肥化が完了しました。(土壌の環境により左右します。)

欧米の有名企業における採用実績

PCO2製のレジ袋、ごみ袋、ショッピングバッグなどのフィルム成形品は、欧米の有名企業にも数多く採用されています。また、高い基準が要求される欧米の国際認可マークも取得しています。また、日本バイオプラスチック協会(JBPA)のグリーンプラ(GP)認証も取得予定です。

取得済みの国際認可マーク
アメリカ:
BPI(Biodegradable Products Institute)認可
欧州:
EN13423基準認可

使用用途

農業用マルチフィルム

農業用マルチフィルムとは、作物を育てている畑の畝を覆うフィルムのことで、これを用いることで防虫や地温の確保、土壌の乾燥防止、肥糧などの流出防止など様々な効果を得ることができます。しかし、作物の収穫後にフィルムを回収し廃棄する必要があり、放置すると、土壌中に残り続け土壌の深部まで潜むか、風雨に流され海に流出します。また、廃棄する場合も廃プラとして処分するか焼却する必要がありCO2の発生源となります。
農業用マルチフィルムとして生分解性材料を用いることで、作物収穫後のフィルムの回収作業が不要となり、畑にすき込むだけでフィルムは自然と分解され、ごみ処理の労力とコストを大きく削減することができるようになります。   
中でも当社が取り扱うPCO2製の農業用マルチフィルムは優れた生分解性と従来のマルチフィルムに使われているポリエチレンに似た特性を有しており、従来製品との代替がしやすい製品です。

レジ袋・ごみ袋など

PCO2はポリエチレンのような機械特性を有しており、生分解性プラスチックの中では非常に柔軟で強靭であり、耐加水分解性も優れており、各種柔軟フィルムとして使用されています。