ニュースリリース

2020年08月31日 プレスリリースC1ケミカル事業

製鉄所の副生ガスから化学品を製造する世界初のプラントが稼働
年間56万トンのCO2を削減見込み

中国の製鉄所において、ハイケム株式会社(本社:東京都中央区 代表取締役社長:高潮(たか うしお)、以下ハイケム)が保有するSEG®技術を採用した副生ガス(コークス炉ガス、高炉ガス)を利用してエチレングリコール(ポリエステル製造原料の一種)を製造する世界初のプラントが2020年8月に稼働しました。このプラントが通年で稼働した場合、年間のCO2排出量を56万トン削減できる見込みです。

当プロジェクトは、中国の大手民営鉄鋼企業「山西晋南鉄鋼集団有限公司※」の完全子会社である「山西沃能化工科技有限公司」によるもので、製鉄所からの副生ガスを利用して30万トン/年のエチレングリコールと14万トン/年をLNG製造する共同プロジェクトです。30万トン/年のエチレングリコール製造にあたり、2017年11月にハイケムがSEG®技術のライセンスを行いました。

※山西晋南鉄鋼集団有限公司
山西省臨汾市に本社を置く中国の大手民営鉄鋼企業。従業員6千人。
製造能力は、鉄500万トン/年、鋼700万トン/年、素材700万トン/年、コークス370万トン/年、セメント360万トン/年など。

SEG®技術とは?
SEG®技術とは合成ガスを原料とし、非石油由来でエチレングリコール(ポリエステル製造原料の一種)を製造する技術のことです。原料には、石炭・天然ガスや産業排気ガスなどの幅広い原料を利用することができます。そのため、各種廃ガスを有効利用し、CO2削減効果が見込めるエコな技術として注目を集めています。現在、ハイケムでは合計23件、約940万トン規模のエチレングリコール技術のライセンスを許諾しています(2020年8月現在)。このうち75万トンのエチレングリコールの製造にコークス炉ガスなどの産業排気ガスを原料として使用しており、これらのプロジェクトが全て稼働した場合、年間125万トンのCO2を削減できる見込みです。また、バイオマス原料やCO2を利用したエチレングリコールの製造も技術的には可能であり、現在研究開発を進めています。

【このリリースに関する報道機関からのお問合せ】
ハイケム株式会社 管理本部 総務部 黒岩英理子
TEL: 03-5542-0580  E-mail:kuroiwa@highchem.co.jp