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次世代のバイオプラスチック量産化・社会実装へ!
化学工学会 超臨界流体部会による「高分子量PLA」パイロット設備の見学会を実施しました。

脱炭素や資源循環への関心が世界的に高まる中、石油由来のプラスチックに代わる環境配慮型素材の一つとして注目されているのが、ポリ乳酸(PLA)です。

バイオ由来原料を使用でき、一定の条件下で生分解性を有するPLAは、さまざまな用途で活用が進む一方、用途によっては強度や耐熱性などの性能面に課題があり、さらなる用途拡大に向けた技術開発が進められています。そうした中、ハイケムが量産化・社会実装に向けた取り組みを進めているのが、「超臨界二酸化炭素」を用いた可塑化重合法によって製造する「高分子量PLA」です。

このたび、ハイケムの取り組みに関心をお寄せいただいた公益社団法人 化学工学会 超臨界流体部会の皆さまに、サマースクールの特別見学会の見学先として、当社の高分子量PLAパイロット設備をお選びいただきました。

本記事では、見学会の様子とともに、高分子量PLAの特徴や、ハイケムが進める新技術の社会実装に向けた取り組みをご紹介します。

化学工学会 超臨界流体部会の皆さまによる特別見学会を実施!

9月1日・2日の二日間、公益社団法人 化学工学会 超臨界流体部会のサマースクールが東京大学柏キャンパスにて開催されました。超臨界流体部会は、超臨界流体に関する技術に携わる研究者や学生、産業界の皆さまが所属する専門部会です。同部会が毎年開催しているサマースクールは、会員の皆さまが一堂に会し、超臨界流体に関する最新技術について共に学び、考え、議論する場となっており、今回で25回目の開催となりました。

今年のテーマは、「エネルギー・環境問題に挑戦する新技術」。二日間にわたり、超臨界流体に関わる様々な新技術についての講演やポスターセッションなどが行われました。また、今年のテーマに関連する特別見学会の見学先として、ハイケム東京研究所 素材研究支所に設置している「高分子量PLAパイロット設備」が選ばれました。見学会には、超臨界流体部に関わる研究者や学生、産業界の方々など、約45名にご参加いただきました。

フィルムやボトルなど、更なる用途拡大にも期待  
次世代のバイオプラスチック「高分子量PLA」とは?

ハイケムが取り組む「高分子量PLA」は、重量平均分子量30万以上のポリ乳酸(PLA)です。

では、「高分子量になる」ことで、何が変わるのでしょうか。

ポリ乳酸(PLA)は、主に一定の環境下において生分解性を有すること、植物由来の原料でできていることなどの理由から環境配慮型のプラスチックとして注目を集めています。これまでポリ乳酸(PLA)は、溶融紡糸や射出成型、押出成形による成形加工により、繊維やさまざまな樹脂製品として実用化されてきました。一方で、ブロー成形法によるフィルムやボトルの製品化は難しいといった課題をもっていました。

そこで期待されているのが「高分子量PLA」です。

高分子量PLAでは、超臨界二酸化炭素を用いた可塑化重合法によってポリ乳酸(PLA)そのものを高分子量化します。これにより、溶融状態でも適度な粘りを持つ、溶融粘度の高い樹脂(=低MFRな樹脂)を提供可能となり、成型加工法の幅を広げることにつなげることができるようになりました。これにより、従来のポリ乳酸(PLA)では適用が難しかったブロー成型フィルムやブロー成型ボトルなど、より広範囲な製品分野へ用途拡大が期待されます。

また、添加剤や化石由来の樹脂とのブレンドに依存せずに、ポリ乳酸(PLA)そのものを高分子量化することで性能向上を図り、環境面での利点を損なわないようにできる点も魅力の一つとなっています。

ハイケムの「高分子量PLA」における社会実装への取り組み

ハイケムは2025年、株式会社リコーより「高分子量PLAに関する技術及び知識に関する知的財産権」を譲り受けました。

現在、ハイケム東京研究所 素材研究支所に設置した年産10トン規模のパイロット設備を自社で運営し、本技術の社会実装に向けた量産化への取り組みを進めています。

さらに、中国をはじめとする世界各地でのライセンス展開や中・大規模プラント建設を視野に入れた検討を進めるなど、高分子量PLAの社会実装と量産化に向けた取り組みを加速させています。

施設見学会の様子

見学会においては、参加研究者の専門分野である「超臨界二酸化炭素」を活用し、環境課題の解決につながる可能性のある「高分子量PLA」の製造技術や設備ということもあり大変興味を持って見学をいただきました。

また、設備を前にした説明では当設備の担当者に対して多くの質問が寄せられ、活発な意見交換が行われました。

また、社会実装や量産化に向けて当社が具体的な取り組みを行っていることにふれ、「超臨界流体に関わるものとして、我々の技術が具体的に社会実装や量産化に向けた取り組みが着実に行われることがわかり嬉しい」といった感想も寄せられました。

新技術の社会実装へ、
ハイケムのこれまでの歩みと強みとは?

ハイケムは、ラボレベルや中規模で開発された技術を中国などで大規模な社会実装を実現した実績を有しています。

その代表例の一つが、SEG®(Syngas to Ethylene Glycol)技術です。

UBE株式会社の技術をベースに、ハイケムが量産体制を確立し、ライセンスビジネスとして展開してきました。これまでに締結したライセンス契約数は23件に達し、これは年間約1,000万トン規模の生産能力に相当します。

また、ポリ乳酸(PLA)については、高分子量PLAに加え、SC-PLA(ステレオコンプレックスPLA)についても社会実装や量産化に向けた取り組みを行っています。

新技術を、研究室の中だけで終わらせない。
社会で実際に使われる技術へと育て、産業として根付かせること。それが、ハイケムが提供する価値であると考えています。

今回の高分子量PLAパイロット設備の見学会は、ハイケムが進める新技術の社会実装への取り組みを、化学工学会 超臨界流体部会の皆さまに直接知っていただく貴重な機会となりました。
今後もハイケムは、研究機関や大学、産業界の皆さまとの交流を通じ、新しい技術と社会をつなぐ取り組みを進めてまいります。

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