ニュースリリース
生分解性バイオマスプラPHBVを化粧品用途に開発
化粧品によるマイクロプラスチック問題解決へ
ハイケム株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:高潮(たか うしお)、以下ハイケム)は、素材を化学する日興リカ株式会社(本社:東京都千代田区 社長:樋渡達雄、以下日興リカ)と、海洋生分解性を有するバイオマス樹脂である、ポリヒドロキシアルカン酸(Polyhydroxyalkanoate:PHA)の一つであるPHBV樹脂製品の化粧品用途開発について戦略的提携基本契約を締結しました。これにより、ハイケムが中国から輸入するPHBV樹脂を日興リカの技術力で化粧品用途として高機能化し、深刻化する海洋マイクロプラスチック問題への解決策の一つとして消費者に受け入れられるような市場展開を図ってまいります。
日興リカ×ハイケムで「海の豊かさを守る」ためにできること
日興リカでは、独自の粉体加工技術で素材の特徴を活かし、化粧品に適した加工を行っております。近年、環境問題に対する取り組みの重要性は高まっており、日興リカは、海の豊かさを守り、自然との共存を目指し、次世代に繋ぐ架け橋となれるように、長年培ってきた技術で貢献しています。
ハイケムでは中国で拡大する生分解性プラスチック市場を背景に、中国最大の生分解性樹脂メーカーと提携するなど、中国からの樹脂の輸入に取り組み、生分解性材料の日本市場の開拓を行っております。これらの中国との強力なパイプを武器に生分解性プラスチックの安定供給に努めています。
日興リカ×ハイケムの強力なタッグにより、化粧品業界が直面するマイクロプラスチック問題の解決を目指し、深刻化する海洋マイクロプラスチック問題への解決策の一つとしてPHBV樹脂を使用した製品が消費者に受け入れられるような市場展開を図ってまいります。
化粧品に起因する深刻なマイクロプラスチック問題
化粧下地、ファンデーション、アイシャドー、チークなど、あらゆるメイクアップアイテムの基材として微小のプラスチック粒子が使われています。これらのプラスチックは化粧品の感触を良くし、光拡散効果を高めるなど、化粧品に対しより高い機能性を求める人々のニーズに対応してきました。しかし、プラスチックが洗面所などから流れ出すと、下水処理のフィルターを通り抜け、河川から海洋に流れ出てしまうことになります。このように海洋に流出してしまう微小なプラスチックはマイクロプラスチックと呼ばれ海洋プラスチック汚染の元凶のひとつとなっています。
世界中で加速するマイクロプラスチックを規制する動き
これらのマイクロプラスチックを規制する動きが欧米を中心に高まってきています。
【EU域内】REACH規則による統一
全ての寸法が1nm~5mmの固体ポリマー粒子を0.01w/w%以上含有する物質の上市を禁止(生分解性ポリマーは規制除外)(2021年もしくは2022年に採択予定)
【アメリカ】連邦法「マイクロビーズ除去海域法」による統一
マイクロビーズプラスチックビーズを含むリンスオフ化粧品の製造流通を禁止(2015年12月成立)
【日本】メーカーへの努力義務、自粛要請
マイクロビーズを含む製品の製造・販売の自粛をメーカーに求め、国内の主要メーカーが自主規制を開始している。
このように、主に欧米ではマイクロプラスチックを含む商品の販売を禁止する動きが顕著であり、各メーカーが対応を迫られています。
海洋でも分解する生分解性バイオマスプラスチックPHBV
ハイケムが中国から輸入する生分解性プラスチックPHBVは、ポリヒドロキシアルカン酸(Polyhydroxyalkanoate:PHA)の一つで、海洋生分解性を有する樹脂です。土中や海水中の微生物により炭酸ガスと水に生分解されます。また、中国で栽培されるトウモロコシとキャッサバを原料としており、原料の100%が植物由来のバイオマス樹脂でもあります。よって、PHBVは環境に優しいプラスチックの条件である、再生可能な材料で作られ、海洋生分解性があり、毒性がないという条件をすべてクリアしているプラスチックといえます。
そのため化粧品の原料となり海洋に流出してしまった場合でも、微生物の力で分解をすることが可能であり、これまでの化粧品としての機能性を損なうことなく海洋プラスチック問題の解決に繋げられるのです。
日興リカ株式会社 概要
会社名:日興リカ株式会社
所在地:東京都千代田区神田富山町10-2
代表取締役:樋渡達雄
資本金:29,795万円
事業内容:化粧品基材、医薬品基材、食品添加物等の製造・販売、水素化触媒、水素化反応合成
ハイケム株式会社 概要
会社名:ハイケム株式会社
会社名:東京都港区虎ノ門1丁目3番1号 東京虎ノ門グローバルスクエア11階
代表取締役:高潮(たか うしお)
資本金:9,980万円
事業内容:化学品の輸出入販売・受委託製造/技術ライセンス関連業務/触媒製造販売等
【このリリースに関する報道機関からのお問合せ】
ハイケム株式会社 広報室 担当:黒岩(090-6539-4213)
TEL:03-5251-8580 E-mail:koho@highchem.co.jp