貿易本部 機能化学品2課 李建課長
3年で2倍の実績を叩き出すハイケムの女性マネージャー!
——まずは、李建さんの経歴を教えてください。
李建課長 立命館大学を卒業後、日本の留学エージェントで3年間勤務しました。その後、2011年にハイケムに入社しました。入社当初は営業事務の仕事をしていましたが、2013年に上司に営業をしてみたいと相談したところ、希望を聞き入れてもらい総合職になりました。
——李建さんは文系の出身だということですが、理系出身者が多いハイケムで営業をやることに対し、戸惑いはなかったですか?
李建課長 確かに、周りは理系の修士やドクターを修了した方も多く、優秀な方が多いです。自分がこの会社で本当にやっていけるのかどうか悩んだ時期もありました。でも、分からない時や悩んだ時は必ず上司や同僚が助けてくれました。何でも気さくにいろいろなことを教えてくれたりアドバイスをくれたりする上司や同僚、部下に恵まれている点で私は本当に運が良いと思います。
また、何より、文系出身者の強みは、「人とコミュニケーションをとるのが好き」だということ。一日中パソコンに向かって仕事するというのが、あまり自分の性に合っていなかった。だからこそ、お客様とたくさんコミュニケーションが取れる営業職を希望し、その強みが発揮できたのは良かったと思っています。
——2020年に課長に抜擢されました。どんな実績が認められたとご自身で分析されていますか?
李建課長 自部門の業績が評価されたのだと思います。2020年に機能化学品2課を任された時の前年度の売上高が16億弱でしたが、翌年が17億、2年目には25億、そして昨年度は31億円の実績をつくり、3年間で売上を2倍にしました。
——売上が2倍!?すごいですね。どのようにして達成されたのですか?
李建課長 今までにまいた種が少しずつ芽生え開花した結果です。化学品って種をまいてから刈り取るまでのサイクルがすごく長い。新製品を開拓して営業をかけてもお客様がすぐ採用してくれるとは限りません。また、100個種まきして、そのうち1個でも開花するかしないかの世界。ですから、100個の種を見出していく作業が本当に地道で大変な作業になります。
そして、その1個をつかみ取るために、何より大切なのはお客様の信頼を得ることです。すなわち、お客様が新しい化学品を探している時に、1番最初に思い浮かぶような営業マンになることです。私たちのお客様は大手の化学メーカーがほとんどで、頼れる商社はたくさんある。その中で、選ばれる営業マンになる必ためには、いつものお客様との接し方や日々のコミュニケーションの取り方でお客様からの信頼関係を構築することが大切です。そうすることで、新しい話が出てきた時に真っ先に思い浮かぶ営業担当になれる。私にお願いすれば、大丈夫という安心感を持ってもらうことが何より大切なのだと思います。
——日本のお客様と接する上で文化的な違いなど、意識するところはありますか?
李建課長 そうですね。文化的な違いを意識する必要もあると思います。私は中国人だから中国流のやり方を貫くというのでは、お客様からは受け入れてもらえないでしょう。なるべく、お客様に寄り添って話を進めていくよういつも意識しています。礼儀を重んじるお客様には、失礼のない作法をもって面談にのぞむようにしています。
——そのようなコミュニケーション能力はどうやって身につけられたのですか?
李建課長 前職の留学エージェントでは、個人向けの営業担当でした。個人向けの営業は法人営業とは違って、お客様が自分のポケットからお金を出さなければいけないわけですから本当にシビアです。サービスにしてもそれ相応のものを求められます。前職の3年間で日本のお客様とのコミュニケーションの取り方、どうやったらお客様に納得して喜んで帰ってもらえるのかということを学びました。
——機能化学品2課は営業マン3名、アシスタント1名の4名体制となりましたが部下の育成で心掛けていることはありますか?
李建課長 部下に対しては、みなそれぞれ自分の考え方があるので、別に私と同じ考え方をするようには求めていません。ただ、これだけの少人数で大きな実績をあげようとしているわけなので「生産性をアップさせること」については皆の共通認識にしています。
——生産性アップのため、具体的にはどのようなことをされているのですか?
李建課長 例えばアシスタントの仕事についてですが、事務の仕事は、組織の中では大切な仕事であると私は捉えています。事務がきちんとできていることでお客様の満足度も上がります。お客様に資料を一つ送るにしても、関連資料と一緒に送れないかをまずは考えるよう指導します。お客様の視点にたって、この資料がどういう時に、どういう資料と一緒に送られてきたら都合が良いかをまずは考えてもらうようにするのです。そうすることで、お客様から言われたから動くという受け身の姿勢から、自分主導で仕事することもできるようになります。ちょっと細かいかもしれませんが、そういう細かいことにこだわってこその生産性の向上だと考えているのです。
——ご自身の経験から、管理職が女性であることの強みってあると思いますか?
李建課長 化学業界って男性社会だし、基本的に泥臭いイメージが強いと思うのですが、そこに女性が入ることでプラスに働くことが絶対あると思っています。例えば女性は観察が得意ですよね。部下の気持ちを察したりとか、変化に気づいたりとか。女性だと物腰が柔らかいので、同じ目線で話ができる。お客様にとっても、親しみを感じられたり新しいビジネスチャンスを見つけたりする視点も、男性とは変わってくるのだと思います。そういえば、先日お客様に、「君は、電話をかけてくるタイミングがばっちりだね」といわれました(笑)