中国ビジネスマナー 2023年10月30日

ハイケム営業マンが選ぶ中国出張の必須アプリ3選 
中国ビジネスマナー講座 #2 スマホアプリ編

近くて遠い国中国。誰も教えてくれないけど、中国では一歩間違えたら大変なことになるビジネスマナーがたくさんあります。ハイケムでは日本と中国の文化、ビジネスマナーを熟知した営業マンが多数在籍しています!ハイケムのオウンドメディア、We are the BRIDGEでは、そんなハイケムの営業マンが、中国に出張に行くなら知っておきたい、最新のリアルな中国式ビジネスマナーを伝授します!

第二回目は「中国スマホアプリ編」です。中国ではGoogleやLINEなどのアプリが使用できません。また、急速に電子マネーが普及しており、普段の買い物はもちろん、小さな屋台などでも現金を受け付けてくれないところも少なくないそうです。

今回は、スマホアプリ編ということで、来日したばかりの中国人社員や中国出張が多い日中の営業マンに話を聞いてみました!

本日の話を伺った人

陳さん
中国の大学卒業後、昨年ハイケム東京本社に入社。
C1事業部で技術営業を担当。

鳥庭さん
2023年7月入社。化学品メーカーで開発工業化に携わってきた工業技術のエキスパート。
中国、台湾、韓国等中心にアジア圏訪問経験が豊富。

虞さん
日本の大学院卒業後2018年4月に入社。
ファインケミカルをメインに取り扱う中堅営業マン。

遠藤さん
台湾の大学卒業後、ハイケムに入社。
中国大陸出張は初心者のため、中国人の同僚や先輩の力を借りながら勉強中。

無いと水すら購入できない!?WeChat Pay(微信)、Alipay(支付宝)


鳥庭 WeChatは日本でよく使われているLINEと同様のコミュニケーションツールですが、中国ではQRコードによる決済機能が急速に普及していて、WeChat PayやAlipayがコミュニケーションツール以上に生活必需のアプリとなっています。コンビニや配車サービス、ホテルや飲食店はもちろん屋台までQRコードによる決済での支払いが前提となっています。私の知り合いから聞いた話ですが、中国ではホームレスの方も、スマホを片手に電子マネーを要求してくるそうです。

WeChat Payは、これまで中国本土に銀行口座を持っていないと登録できなかったのですが、2023年7月より国際クレジットカードの登録もできるようになっていて、外国人もWeChat Payによる支払いが可能となりました。
※JETROビジネス短信より:https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/07/06fe7d7df33e7117.html

 WeChatには便利なMini Apps(微信小程序)と呼ばれる機能もあります。DiDi Chuxing(配車サービス)やマクドナルドなどのインスタントアプリをWeChat内に保存できるサービスで、私もよく使っています。WeChat内でよく使うアプリを一括管理できるのでとても便利です。日本のPayPayにも似たような機能がありますよね。

遠藤 私は先日出張の際、登録がうまくいかず、WeChat Payを利用できませんでした(涙)。店舗側の登録がWeChatの方が簡単にできるようで、WeChat Payは使えてAlipayは利用できないタクシーやお店が多くあったので少し不便でした。

鳥庭 そうですね。日本の電話番号でも問題なく登録はできるようですが、金融機関側で「SMSの認証コード」を入力する必要、あるいはウェブサイト上の認証があり、SMSや認証サイトにアクセスできない場所での処理は登録できないかもしれませんね。出張などで行く際は日本で登録していく方が良いかもしれません。

私の場合は、中国の銀行口座を使えたので、国際クレジットカード登録なしでWeChat Pay、Alipayは利用できました。今回、このお話を機会として、サブiPhoneに入れた別WeChatアカウントに国際クレジットカードの登録を行いました。結果、認証はできたので、次回の出張の時に問題なく使えるかやってみようと思います。支払いできる端末が2台でさらに出張が安心です(笑)。登録には日本の携帯電話番号、国際クレジットカード、実名認証のためパスポート番号が必要でした。私はなぜかカード登録前段の実名認証のところで3回ほどリジェクトされましたが、同じパスポートでやり直して認証されました。中国の同僚に聞いてみたのですが理由は不明でしたね。

 AliPayについては、通信トラブルなどに備えてWeChat Payのセカンドアプリとして備えておいたほうがよいと思います。機能的にはWeChat Payとあまり変わらないので、何かあったときのお守りになります。

運転手との会話が不要になる、配車サービスアプリDiDi Chuxing(滴滴出行)


 中国のタクシードライバーで中国語以外の言語ができる人はまずいないと考えてよいです。ですから、中国語を話せない人にとって、タクシーの利用は困難を極めるのではないでしょうか。これまでは、住所を見せたり、筆談などで対応されている方も多かったのではないかと思いますが、あまりメジャーではない場所の場合、運転手が分からないこともあります。

DiDiのアプリでは、目的地を入力すれば、ナビが設定されていてドライバーを案内してくれるので、運転手との会話が不要になりますし、あらかじめ料金が提示されるので安心してタクシーに乗ることができます。

このアプリは日本でも利用できるようですので、出張の前にダウンロードしておくと安心かもしれません。

配車サービスとの連動が便利!高德地图、百度地图


鳥庭 高德地图百度地图も備えておいた方がよいアプリでしょう。Google Mapのように交通機関ごとの目的地までの所要時間が調べられるのですが、アプリ内でDiDiなどの配車アプリと直結している機能がとても便利です。しかもこの機能、配車可能な最安値まで自動検索してくれる優れものです。

遠藤 私は、先日の出張の時に会社の先輩の勧めで高德地图をダウンロードしました。そして、やっぱり配車機能がとても便利でした。運転手さんと話さなくても目的地に行けるのはもちろん、決済もAlipayで可能なので降りる時にもたつくこともありません。また、レシートがアプリ内に保存できる点もビジネス出張の場合は便利ですね。使用感が日本でいつも使っているGoogleアプリに似ている点もよかったです。

鳥庭 私は百度地图をダウンロードしています。配車サービスもそうですが、地下鉄で電車を乗り継ぐ場合も徒歩での移動をしっかり計算してくれるので、時間を読みやすいところもいいですね。目的地に早く着きすぎてお茶したいときには、付近のお店情報が表示されます。ただ、お店情報はメニューや価格帯表示の広告情報がうるさいくらいで、ありがたいこともありますが、邪魔な時もあります(笑)。

私のように中国語が不得手な者でも、この百度一つあれば、周辺をジョギング、ウォーキング、ショッピングから飲食まで一人で楽しむことができるので気に入っています。アプリに連動しているものは別として、私が中国で使用しているアプリは、Alipay、WeChat、百度の3つだけかもしれません。

 地図アプリでいうと、iPhoneユーザーの場合は、特に設定を変更せずに、そのまま使えるアプリがあります。iPhoneに搭載されている「地図」と「翻訳」の機能です。日本ではGoogleに紐づけされていますが、中国本土では、別の中国で利用できるデータソースに自動で置き換わり、そのまま利用することができますよ。

その他、おすすめ便利アプリ


 私のおすすめアプリは高速鉄道のチケット手配アプリ、鉄路12306です。中国高速鉄道(CRH)は、ビジネスで中国を頻繁に移動する人にとっては最も便利な移動手段の一つです。時速300キロを超えるG列車であれば、上海から北京まで5時間弱で移動できます。普通列車なら15時間かかるので、便利なのではないでしょうか。高速鉄道にもセキュリティチェックなどいくつか手続きはありますが、飛行機の搭乗手続きほどではありません。また、空港のない都市にも行くことができるので、僕も中国ではよく利用します。

ただ、外国人の場合、アプリの登録の時に少し手間がかかる場合があるようです。特に、支払い方法は先述のWeChat PayやAlipayや中国の銀行カードに限られます。

 そうですね、このアプリの場合、外国人向けではないので出張者には使いにくいかもしれません。出張目的だとチケットなどは現地の担当が手配してくれがちなので、できれば現地の方にお任せしたほうが無難かもしれませんね。ただ、観光など自分手配の時は便利だと思います。

 私のおすすめアプリは、日本の食べログに使用感が似ている大衆点評です。ただ、これも中国語のみのアプリで外国語は対応していないです。店によっては予約機能やオンライン上で並べたり、配達注文を受け付けてくれるところもあります。クーポンが豊富なのもうれしい点です。お店探しだけならアカウント登録の必要もなく手軽に使えますよ。

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