中国ビジネスマナー 2023年11月16日

ハイケム社員が解説する『中国の観光名所・グルメ』
まるわかり中国「北京の観光名所・グルメ編」

近くて遠い国中国。誰も教えてくれないけど、中国では一歩間違えたら大変なことになるビジネスマナーがたくさんあります。ハイケムでは日本と中国の文化、ビジネスマナーを熟知した社員が多数在籍しています!ハイケムのオウンドメディア、We are the BRIDGEでは、そんなハイケムの社員が、中国に出張に行くなら知っておきたい、最新のリアルな中国式ビジネスマナーを伝授します!

第3弾は「北京の観光名所・グルメ編」です。出張に行くなら観光やグルメも併せて楽しみたいもの。ハイケム東京に勤務する中国北京出身、北京の大学を卒業した社員3名に協力いただき、ぜひ訪れてもらいたい観光スポットとグルメ情報、北京の文化や訪問する際の注意点などを語っていただきました。

文:瀬戸洋一 人物写真:キリコシマキ

本日の話を伺った人

紀さん
北京出身。1997年に来日。流通経済大学を卒業後は物流分野でキャリアを積み、2011年にハイケムに入社。現在は業務部物流開発課の副部長。

張さん
北京師範大学を卒業後、2008年に来日し富山大学大学院へ。日本と中国でキャリアを積み2014年にハイケムに入社。現在は人事課の課長。

李さん
北京出身。華南理工大学卒業後、2012年に来日し明治大学大学院へ。卒業後は日本でキャリアを積み、今年ハイケムに入社。貿易本部の精密化学品部に所属。

 
ハイケム社員がおススメする北京の名所
ズバリ、北京のおすすめの観光名所は?

万里の長城


 北京を訪れたらぜひ行っていただきたいのは「万里の長城」です。北京という街の特徴はとにかく広くて大きいということ。北京市を南の端から北の端まで車で移動したら3、4時間はかかります。観光スポットも巨大なものが多く、その象徴のひとつとして「万里の長城」がおすすめです。ぜひその大きさを実感してほしいです。

后海(ホウハイ)


 私は「后海」(ホウハイ)です! 故宮の北にある湖で、夏はボート、冬は湖面が凍結するのでスケートが楽しめます。ほかに散策やジョギングも。実は学生時代にデートをした思い出がある大切な場所です。湖の近くには歴史のある街が広がり、おしゃれなカフェなどもあって、夜はバーが遅くまで賑わいます。昼と夜で違う表情を見せるのも魅力。

故宮


 やっぱり「故宮」ですね。明清の二つの時代に皇帝が暮らした紫禁城ですが、今は博物館になっています。たくさんの宮殿が並び、しっかり見ると丸一日かかります。壮麗な木造建築に使われている太い柱を見たりすると感動します。北京が現代の都市になるまでの変遷を学べるので、その後の北京の街歩きがさらに楽しくなるのでは。

 「故宮」は撮影スポットとしても、おすすめですね。快晴の日は建物の赤い壁が青空に映える。雪の日もチャンスです。雪の白と壁の赤のコントラストが素晴らしいです。


“鳥の巣”やアートの街、胡同も。最先端の文化と“懐かしさ“が共存する北京

北京オリンピックスタジアム


 海外から来る人があまり訪れない名所として北京オリンピックのスタジアムがあります。「鳥の巣」の愛称で思い出す方も多いのではないでしょうか。スイスの世界的な建築ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンが手がけた建築で、北京は歴史的な建物だけでなく、世界の有名な建築家が競い合う現代建築の宝庫。北京の新しい魅力として国内の人気観光スポットになっています。周辺にはおしゃれな店やホテル、公園も整備されていて散策も楽しいです。

798芸術区


 私が今、北京で行きたいのは「798芸術区」。私の中では北京で一番インスタ映えする街です。正直に言うと私はまだ行ったことがなくて、ずっと憧れています。芸術家の卵がたくさん住んでいて、アトリエやギャラリーが集まっている街。おしゃれなカフェも多く、かつてのニューヨークのソーホーのように若い芸術家たちが新しいアートを生み出しており、他の街にはない刺激を与えてくれそうです。

南鑼鼓巷(なんらここう)


 北京の古い街並みが好きなので「南鑼鼓巷」(なんらここう)は外せません。先程、張さんが紹介した「后海」の近くにある昔ながらの住宅街、胡同(フートン)です。古民家のイメージをそのまま残したカフェやバー、それに雑貨店などが次々にオープン。散策が楽しい街になっています。細い路地に入ってみるのも面白い。地元のおじいちゃん、おばあちゃんが家の前に椅子を出して、お茶を飲んでいたりと庶民の生活が街に息づいています。子供の頃と比べると北京の街並みは大きく変わりました。昔のゆったりした街が好きだったのですが、胡同ではそんな懐かしい北京の姿を垣間見ることができます。

北京滞在の楽しみ、パワースポットやジョギングコースも

 私が北京でよく行く場所のひとつに「雍和宮」があります。北京最大のチベット仏教寺院で、もともとは清の雍正帝が親王だったときの邸宅でしたが、乾隆帝がここで生まれたため龍が潜んでいる福地、恵まれた土地として知られています。「雍和宮」では健康な日々を過ごせるようお願いしています。

 そういうパワースポットのようなところとして「白雲観」もあります。こちらは道観(道教の寺院)ですが、子供の受験合格をお願いしに行く人が多いようです。受験の前だけでなく、合格したら今度はお礼に行くそうです。

 北京での滞在中、ジョギングを楽しみたいという方もいると思います。オリンピック公園のコースが有名です。他に「朝陽公園」もジョギングする人が多い。広い公園で湖の景色を楽しみながら走ることができます。

 朝のジョギングはおすすめです。公園ではいろんなおじいちゃん、おばあちゃんに会えます。太極拳をしている人たちもいる。北京市民の日常が見られるのが面白いと思います。人々の生活の様子を見るのは異国を訪ねる醍醐味のひとつ。また北京はジョギングができない天候が悪い日でも美術館や博物館など屋内で楽しむ施設が充実しています。まさに歴史と文化の街。多くの方に北京滞在を楽しんでいただきたいです!

ハイケム社員がおススメする北京のグルメ
絶品グルメは羊肉しゃぶしゃぶや北京ダック。
青春の甘酸っぱいデザートも。

羊肉のしゃぶしゃぶ


 北京のグルメでは何と言っても「羊肉のしゃぶしゃぶ」です! 新鮮なラム肉を沸騰しているお湯に3回だけさっとくぐらせます。生食ではないものの加熱は少しだけなので、ラム肉そのものの味を楽しめるのが特徴。内モンゴルで飼育された新鮮な羊の肉が使われており、日本の和牛と同じように部位によって味も違います。良い店は必ず臭みのない肉を出すので、羊肉のにおいが苦手な人にもおすすめです。有名なのは「東来順飯荘」という店で、北京の各地に支店があります。ほかに人気の店は「宏源南門涮肉」。ラム肉の旨みや柔らかな舌触りを存分に楽しめる料理です。

北京ダック


 本場の「北京ダック」もおすすめ。北京に帰った時はネットの口コミで高い評価の店を探して夫婦で食べ歩いています。同じ北京ダックでも店によって味に個性があり、中には桃などの果物の木を使ってダックを焼いているところもあります。独特の香ばしさが肉に染み込んで美味しい。本場で食べる「北京ダック」は皮にぱりぱり感があり、肉も柔らかで絶品です。北京のあちこちの店を知っているので、弊社のお客様には美味しい店をこっそり紹介したいです。

糖葫芦(タンフール)


 私はデザートになるのですが、おすすめは「糖葫芦」(タンフール)。バラ科のサンザシの小さな赤い実に砂糖をコーティングしたものを連ねて竹の串に刺した飴です。サンザシの実の酸味と外の甘さが絶妙のバランスで大好きです。街を歩くと店や屋台などあちこちで売っているので食べ歩きをしています。

 お祭りでは必ず売っています。日本のりんご飴と似ていますね。

 学生の頃、夕食後も教室に戻って勉強していました。9時とか10時くらいに勉強を終えて寮に帰るとき、いつも食べながら歩いたのが懐かしい思い出です。

知っておきたい北京事情
北京の人は「有里有面」。おしゃべりな一面も


 北京の人の特徴として「有里有面」としばしば言われます。自分のメンツも大切にしつつ相手に対しても礼を尽くしてメンツを立てる、という意味で、そんな気質が北京の人にはあります。中国は競争が激しい社会でもあるのですが、北京の人たちは「有里有面」を今も大事にしていると思います。

 北京は長い間、王朝や国家の首都であり、そのプライドがあるからこそ礼儀正しさを大切にしているのかもしれません。もちろん大都市なのでいろんな人がいますが、「有里有面」を意識している人が多いと思います。北方の遊牧民族などと融和し、いろいろなものを取り込んで今の北京があると考えています。そうした歴史も礼儀、マナーを大切にしている背景にあるのでしょう。そう、マナーと言えば、北京独特のものも。宴会などでお茶やお酒を注いでもらった時にテーブルを拳で叩くマナーがあります。「ありがとう」の意味です。ただし強くこんこん叩くと怒られる。最近は二つの指で静かに叩くほうが優美とされています。
 
 私は北京生まれではないのですが、外から見て北京の地元の人たちは話好きが多いイメージです。とくに北京でタクシーに乗ると他の都市との違いを感じます。北京のタクシーの運転手は乗っている間、ずっと話し続ける人が多くただ聞いているだけでいろんな情報が入ってきます。

 北京のタクシーの運転手は一時間くらい乗っても、ずっと話している(笑)。胡同を歩いていると見知らぬ地元のおじいちゃん、おばあちゃんが気軽に話しかけてきます。たしかに北京はおしゃべり好きな人が多いですね。

北京ならではの注意点。
宴会の厳しさ、道路に新たな脅威や深刻な渋滞も


 そんな親しみやすい北京でも注意すべきことがあります。出張での宴会です。北京にはトップクラスの官僚や大手の国営企業の幹部がいます。その人数は他の都市の数十倍。そのため他の街では会食の場に出て来ない地位の方を接待する機会があります。その際、とくに大事なのは言葉遣い。中国語にも日本語の敬語のようなものがあるので、きちんと相手を尊重して言葉を選びながら接することが大切です。失礼なことをしたら交渉が破談になってしまう可能性も。当然、丁寧な中国語を駆使する能力が重要になります。その点、弊社は経験が豊富なので安心です。

 北京だからこそ注意すること、すぐに思い浮かびませんが、中国ではとにかく現金やクレジットカードを使える場所が少ないです。QRコードで決済するアプリが必須です。現金では屋台でサンザシの飴を買うこともできません。
→詳しくは中国ビジネスマナー講座第2回スマホアプリ編をご参照ください。

 急速に普及している電動自転車による事故にも注意が必要です。北京では自転車専用道が整備されていますが、中には歩道をものすごいスピードで走って来る電動自転車もあります。すれすれで走り抜けていくので怖い。電動なので大きな音がしないのも危険です。歩道を利用するときも常に周囲に気を配ることが必要で、日本の感覚でスマホを見ながら歩くのは危ないです。

他に北京で注意しなければいけないのは道路の渋滞。北京の道路は午後3時半くらいからノロノロ運転しか出来なくなります。5時前くらいから本格的な渋滞になり、7時半から8時くらいまで続きます。タクシーを利用する場合は気をつけてください。深刻な渋滞を避ける方法は地下鉄を使うしかありません。ただ北京の地下鉄は東京と比べても乗り換えが難しい。交通機関ごとに目的地までの所要時間を調べることができるアプリが活躍しそうです。
→詳しくは中国ビジネスマナー講座第2回スマホアプリ編をご参照ください。

ハイケム社員・北京おすすめの観光名所まとめ

万里の長城
后海(ホウハイ)
故宮
北京オリンピックスタジアム
798芸術区
南鑼鼓巷(なんらここう)

<パワースポット>
雍和宮
白雲観

<ジョギングスポット>
朝陽公園

ハイケム社員・北京おすすめのレストランまとめ

<ラム肉のしゃぶしゃぶ>
東来順飯荘
宏源南門涮肉


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