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中国ビジネスマナー 2024年02月01日

ハイケム社員がおすすめする『中国の観光名所・グルメ』
まるわかり中国「上海の観光名所・グルメ編」

近くて遠い国中国。誰も教えてくれないけど、中国では一歩間違えたら大変なことになるビジネスマナーがたくさんあります。ハイケムでは日本と中国の文化、ビジネスマナーを熟知した社員が多数在籍しています!ハイケムのオウンドメディア、We are the BRIDGEでは、そんなハイケムの社員が、中国に出張に行くなら知っておきたい、最新のリアルな中国式ビジネスマナーを伝授します!

第4弾は「上海の観光名所・グルメ編」です。出張に行くなら観光やグルメも併せて楽しみたいもの。ハイケム東京に勤務する中国・上海出身の社員2名に協力いただきました。今回は、既に上海の有名観光地には行き飽きたという方には参考になる情報になっています。また、上海の文化や訪問する際の注意点なども語っていただいているので、上海を訪問予定のビジネスマンはぜひご一読ください。

文:瀬戸洋一

本日の話を伺った人

鄒(スウ)さん
中国・上海出身。華東理工大学卒業後は化学分野でキャリアを積み、2012年にハイケムに入社。現在は農業化学品部農薬課の担当課長。

周さん
中国・上海出身。2003年に来日、中国と日本の大学を卒業後、大手機構部品メーカー、日鉄系商社で海外新規開発・海外営業に従事した後、2023年10月にハイケムに入社。現在、機能性ポリマー部でポリ乳酸の新規市場開拓の仕事に携わる。

 
ハイケム社員がおすすめする上海の名所(穴場編)
上海の新たな観光スポット
プラタナス並木のシックな街や「天空の書店」

「武康路」(ウーカンルー)


スウ 上海にはアール・デコやバロックなど様々な様式で建てられた西洋建築が並ぶ「外灘」(ワイタン)、中国の伝統的な庭園や建物が集まり歴史を感じさせる「豫園」(よえん)、それに上海ディズニーリゾートなど人気の観光名所が多数ありますが、今回はガイドブックにあまり掲載されていない最新のスポットをご紹介します。

私が上海で大好きなスポットは「武康路」(ウーカンルー)です。上海の西側のエリア、かつてのフランス租界の中にある街路で、長さ1キロ余りの道沿いには租界時代に富裕層が住んだ洋館や小さなマンションがたくさん残っています。その建物を活用しておしゃれなカフェやレストランができて、散策にぴったり。道の両側にはプラタナスの街路樹が並んでいます。実は私も秋に訪れたばかりなのですが、プラタナスの大きな葉が黄色に色づき、洋風の建築にも映えて、とても美しかったです。

人気の撮影スポットでもあり、趣のある街並みを撮影しながらゆっくり歩いても2時間くらい。武康路の入り口には「武康大楼」という租界時代に建てられた船のような外観の当時の高級マンションがそびえており、ランドマークとして地元の人たちに愛されています。

上海の西側エリア「徐家匯」(じょかわい)


 上海の西側のエリアでは「徐家匯」(じょかわい)も楽しいです。ショッピングの街としても有名でたくさんの百貨店や量販店が連なっています。そのなかでもおすすめがキリスト教の聖堂「徐家匯天主教堂」です。徐家匯のあたりはかつて小さな村落があったのですが、19世紀にカトリックのイエズス会が布教の拠点にしました。そこに建てられたゴシック様式の大きな聖堂で、完成した当時はキリスト教の建物としてアジア最大規模だったと言われています。建物の両翼になっている鐘楼は高さ60メートル。このエリアのシンボル的な建物です。

周辺には大きな公園が整備されていたり、中国でもトップクラスの交通大学のキャンパスがあったりして散策も楽しめます。


スウ 徐家匯は私も好きな街です。最先端のファッションブランドが集まっているので、歩くだけでも楽しい。そこに行けばなんでも揃っている街という印象です。

浦東地区のおすすめ「朶雲書院」

 一方で上海の東側、現代的な高層ビルが立ち並ぶ浦東地区でおすすめしたいのが「朶雲書院」です。中国で最も高いビル「上海タワー(上海中心大厦)」(632メートル)の中に2019年にオープンしたブックカフェで、中国の本だけでなく、世界各地の有名出版社が出したアートブックや写真集なども揃っています。店があるのは上海タワーの中層階ですが、それでも200メートル以上の高さ ! 美味しいコーヒーを飲みながら本を読み、ふと目を上げるとガラス越しに上海の街が一望できます。まさに天空の書店です。とても人気があり、事前の予約が必要なので注意してください。

もし「朶雲書院」の予約が取れなくても近くには「浦東美術館」という新しい名所があります。フランス出身の世界的な建築家で、ルーヴル・アビダビも設計したジャン・ヌーヴェルが手掛けた建築で、2021年にオープンしました。名画などを集めた魅力的な企画展が開かれているだけでなく、建物からは対岸の「外灘」に並ぶ歴史的建築群を見ることができます。晴れた日の夕暮れは外灘を背景に広がる夕焼けに加え、建物に入ってくる光の美しさも格別 ! 上海の現代と過去とを一望できる新たな人気スポットとなりそうです。

上海の歴史を一望できるジョギングコース


スウ 過去と現代とを一望という点で、「外灘」と「浦東」の黄浦江両岸の川沿いは絶好のジョギングコースです。外灘側を走ると対岸には浦東の上海タワーをはじめ現代的な建築群を見渡せ、浦東側を走ると今度は外灘の歴史的な建築群が対岸に広がります。

 朝、走るのもよいですが、夜のジョギングはどちらからも美しい夜景が楽しめます。治安も良く夜でも安心して走ることができます。安く川を渡れる船も運行されているので、渡し船を活用して同じ日に両方のルートを走ることもできそうです。

「母の祈り」が届いた上海のパワースポット


スウ 「北京の観光スポット・グルメ」編でもご紹介しているパワースポット。上海でのおすすめは「静安寺」です。三国志の時代まで歴史をさかのぼることができ、呉の孫権の命によって建てられたと言われているそうです。歴史あるお寺ですが、今は高層ビルなどがある賑やかな街なかに。上海でちょっと元気が足りなかったり、お願いしたいことがあったりしたときに足を運んでいます。「三国志」が好きな方にもおすすめです。

 私にとっては「玉仏寺」というお寺が特別な場所です。静安寺と比べると新しく、清の時代に建立された寺院ですが、静安寺と同じく上海市民にとても親しまれています。私の母が毎月2回欠かさずにお祈りに通っており、いつも私たち家族のことをお願いしているそうです。今、私が日本で健康で充実した日々を送っているのも母が玉仏寺でお祈りしてくれているから。このお寺、そして何よりも家族思いの母にはとても感謝しています。

ハイケム社員がおすすめする上海のグルメ
温かな思い出の家庭料理「イドシ」
庶民が愛する朝食も

スウさんのお母さんが作った腌篤鮮(イドシ)

スウ 上海のグルメと言えば「上海蟹」「小籠包」が有名ですが、私のおすすめは上海の家庭料理「腌篤鮮(イドシ)」です!春節の頃から春にかけて上海やその周辺でよく食卓に並ぶ煮込み料理で、豚肉と旬の筍がふんだんに使われています。主な具材は世界三大ハムのひとつと言われている「金華ハム」や日本では細竹や姫竹などと呼ばれる「小竹筍」という細長い筍。それぞれの家庭で使われる具材が異なり、干しエビや塩漬けの筍を入れたり、鶏のスープから煮込んだりする家もあります。イドシのスープは絶品で飲み干してしまうほど。その味は各家庭に代々引き継がれ、私にとって上海で家族と過ごした懐かしい思い出が詰まった料理です。家庭料理なので上海でもイドシを出す店は限られているかもしれません。弊社のお客様が上海に出張されるときには美味しいイドシを出すお店にご案内したいです。


 あと上海では朝食を楽しんでいただきたいです!観光や出張で泊まるホテルに朝食が付いているかもしれませんが、街に出ても庶民的で美味しい朝ごはんが待っています。おすすめはまず「焼餃子」です。形は日本で食べられている餃子と同じで皮は厚め。豚肉がたっぷり詰まっているものを焼きたてで。ほかにおすすめは「粢飯糕(スベコ)」。これは蒸したご飯を長方形にして揚げたものです。さらに「蛋餅(タンピン)」。蛋餅は卵をクレープのように焼き、パクチーなどの具材を巻いて食べます。ご紹介したものだけではなく上海では街に出ると多彩な朝食を楽しめます。ただ屋台などで気軽に食べることができた庶民の味も最近は店が減りつつあります。今のうちに楽しんでほしいです。

スウ 甘い豆乳と揚げパンの店や屋台は街のあちこちにあります。上海では昔からテイクアウトして家で食べるという文化があり、子供の頃、朝の豆乳を買いに出かけたことも懐かしいです。

出張前に知っておきたい上海事情
上海の人たちの特徴
女性は気が強い!?男性は家事ができないと失格!?


スウ 上海の女性の特徴は「おしゃれ」です。中国で最もおしゃれに気を使っているのではないでしょうか。街のあちこちに海外の有名ブランドの店があり、洗練されています。女性たちのファッションは東京に負けないくらいだと思います。また上海の女性について中国では「あざとい」とか「気が強い」などと言われることがありますが、気が強いという点は確かにあるかもしれません。中国全体から見ても女性の社会進出が抜きん出ており、自立心を持った女性が多い。一方で、日々の生活を楽しみたいという思いも持っています。厳しい競争の中でバリバリ働きつつ、休日はおしゃれな街歩きを楽しむというイメージです。

 女性の社会進出を受け、男性は家事に熱心です。家事をしない男性はパートナーから厳しく怒られます。上海は女性が外で働くようになってからの歴史が長い。中国では最も早く近代的な都市化が進んだ街のひとつであり、すでに私の両親の世代は共働きが当たり前でした。なので男性には家事や子育てを積極的に分担することが根付いています。

上海出張の注意点
ガイドブックは役に立たない?
接待の店は常にアップデートを!

スウ 上海への出張では、宴会をすることがあるかもしれませんが、大事なことは地元で美味しいと評判が高く、おしゃれな店で接待することです。上海の人たちはプライドが高いところがあるので、良い店でないと自分が少し低く見られていると感じてしまうかもしれません。メンツを傷つけないことが大切です。また店選びのセンスがないと思われると、とても損です。

 上海は変化が激しい街なので、たとえば2年前に行って良かったから今回も大丈夫だろうと思うと味やサービスの品質が落ちてしまっていることも。接待の店は最新の情報をしっかり集めて選ばないと失敗してしまいます。古い情報を元に自慢げに「今夜、良い店選びましたよ」と連れて行っところ全く別の店になっていたりするとビジネスも残念な結果になるかもしれません。ガイドブックの情報はあっという間に古くなって役に立たないことがよくあります。弊社ではいつでも地元の最新情報を集めているので、その点は安心です。

上海語にご注意!

スウ 日本で中国語を学んだ人が上海に来ると、言葉が標準中国語と異なるので「言葉が通じない!?」と自信をなくしてしまうかもしれません。たとえば上海の言葉では「こんにちは」は「ニーハオ」ではなく「ノンホウ」。「ありがとう」も「シェイシェイ」ではなくて「シャヤーノン」です。でも標準中国語を話す人も多いですし、積極的に話しかけてほしいです。

 祖父母の世代では上海語しか話せないという人もいますが、私たちの世代ですと上海語も標準語も話せます。学校では標準語、家では上海語を話しています。ただ若い世代は逆に標準語を主に使い、上海語があまり話されなくなっている傾向があります。上海はイギリスやフランスなどの外来語の影響も受け、独特の表現も少なくありません。言葉の面からも変貌が激しい都市・上海。新たな魅力が次々に生まれているので、ぜひ多くの方に楽しんでほしいです!

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