HighChem Story

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【お客様対談】OATアグリオ株式会社様
10年に及ぶ信頼関係継続の秘訣はケミスト同志の友情!

ハイケムストーリーの第一回目の取引先様との対談企画は農薬・肥料の研究開発、製造・販売を手掛ける『OATアグリオ株式会社』様にご協力いただきました。OATアグリオ様は大塚化学から分社化した、農薬の大手企業。ハイケムにとっては、10年以上の取引関係を継続していただいている、大事な事業パートナーです。
今回の座談会メンバーはOATアグリオ様から、中川博文様にはるばる徳島県の鳴門市からお越しいただきました。OATアグリオ様は研究所を鳴門市に設けられていて、中川様は徳島大学の薬学部の修士課程を修了して以降ずっと鳴門の研究所にて農薬の研究開発および生産技術に関わる業務に従事してこられたそうです。
また、ハイケムからはOATアグリオ様との初期のプロジェクトから共にかかわってきた農薬化学品部の金文部長と、ハイケムのOEM担当として数々のプロジェクトを成功させてきた、貿易本部 営業支援室の中吉専門部長の2名が参加しました。
OATアグリオ様とハイケムの10年以上にわたる信頼関係のベースがどこにあるのか、また、中国でのOEMプロジェクトの成功の秘訣、そして何より数々の困難をともに乗り越えてきたからこその「3人の仲の良さ」をお伝えしていきたいと思います!

左から ハイケム営業支援室 中吉浩専門部長・OATアグリオ 中川博文様・ハイケム農業化学品部 金文部長

中国でのOEMプロジェクトを共に成功に導いてきた実績

──OATアグリオ様とハイケムが共同で成功させたOEMのプロジェクトについて教えてください。

中川様:私が最初にハイケムさんとご一緒したのは、OATアグリオの農薬原体を中国でOEM製造するプロジェクトで、2013年頃のことです。
OEMの受託先は、この農薬の原料の供給先だったのですが、原料から一貫して製品まで作ったほうが、コストダウンと競争力アップにつながるだろうという判断が会社のほうであり、プロジェクトが始動しました。


──プロジェクトでのハイケムの役割は?

中川様:ハイケムの林取締役、金文さんをはじめとするハイケムの農業・化学品部の皆様には、とてもお世話になりました。中国に一緒に来ていただいて、メーカーに対しての通訳はもちろん、設備改造やプロセスの最適化、分析方法の指導などを共に行いました。プラントの試運転の時も一緒に立ち合いましたよね。まさに、中国でのOEM立ち上げをともに乗り越えた仲間です。

──他にもプロジェクトはありますか?

中川様:ある農薬中間体のOEMプロジェクトで立ち上げに相当苦労したのですが、そこでは中吉さんに大活躍していただきました。
これまでの案件は、既に弊社内で何十年もの間、商業運転していたものを中国でOEM製造するというもので、自社でも製造経験豊富なものばかりでした。一方で、この農薬中間体のプロジェクトは譲渡された技術であったため、技術的なノウハウの細かい部分を我々のほうで持ち合わせていなかったんです。


中吉:ラボレベルのものをスケールアップして、製品として商業化まで確立するとなると、やはり紙に書いてあるものと、実際現場で作るのとではだいぶ違ってきますからね。

中川様:いや、まったく違いますね。

中吉:そこで、中川さんチームと私たちが、共同で中国現地の状況に合わせて、色々な改善改良を通じてコストを大きく低減させ、プロジェクトを進めました。OEM委託先である中国メーカーは、技術的や設備、生産技術的において、どうしても日本とのギャップが出てしまいます。それを改善していくために、こちらが指導しながら改善していく必要がありました。
本当に、中川さんとは苦労を共に乗り越えた仲間になりましたね。



(左から OATアグリオ 津本様、ハイケム 中吉、OATアグリオ 中川様)

2017年OEM製造終了後に南京中山陵にて撮影

ハイケムの仕事は、日本と中国の技術と文化のギャップを埋めてプロジェクトを成功に導くこと

中吉:「文化や商習慣の違いはある。一番大切なのは、仕事をスムーズに進めてプロジェクトを成功に導くこと」

──中国でOEM事業を立ち上げるにあたり、文化やビジネスの慣習面などで感じたギャップはありましたか?

中川様: 日本以外でのOEM製造の場合、基本的にはこちらが指導しながら進めることになるのですが、文化的にはすんなりいかない面もあったかと思います。

金文: 日本と中国で認識が違うっていうか、文化の違いというのはありますね。日本式だったらこうやるんだけど、中国だったらこうみたいな。中国サイドからいうと「うちは、ずっとこういうやり方でやっていました」というプライドもあるのではないかと思います。正確にはどっちが正しいかとかいうのはないのだけれど、ハイケムは両方を融合して、いいものを作る方向に導くのが仕事なのだと思います。ゴールは日本サイドも中国サイドも基本的には同じはずですからね。

中川様: 中吉さんには、長期間現地に入っていただいて、通訳や技術的な面で協力いただき、非常に助かりましたね。

金文: あと中国で大事なのは、昼間は仕事で信頼関係を築いて、夜はお酒で信頼関係を築くことですね。

──そこもやっぱり大事なんですね(笑)。

金文: 大事ですよ。やっぱり仲間になることが中国のビジネスではとても大事です。「仕事は厳しく、夜は楽しく」が鉄則ですね(笑)。

ハイケムは中国企業とコミュニケーションをとるうえで欠かせない大切なパートナー

中川氏「ハイケムは中国企業とコミュニケーションするうえで欠かせないパートナー」

── OATアグリオ様にとってハイケムとはどのような存在ですか?

中川様: 中国企業とコミュニケーションするうえで欠かせない大切なパートナーですね。
ただ中国語がしゃべれるだけでなく、金文さんや中吉さんのように自身も化学の博士課程を修了しているなど、ハイケムには技術のことを理解している方が多いです。英語でも合成とか有機化学の通訳はハードルが高く、中国語になってくると社内では難しいので、本当にハイケムさんはありがたい存在です。


中吉: 技術の通訳って難しいんですよ。技術をきちんと理解していないと相手に正しく伝わらない。技術とか設備のことを話せるかどうかで信頼関係が築けるかどうかが決まります。

── それでは、ハイケムにとってOATアグリオ様はどのような存在ですか?

金文: もちろん、大事なパートナーです。農薬化学品部としてOATアグリオ様は最初のお客様です。ハイケムで最初に農薬を取り扱えたのはOATアグリオ様のおかげといっても過言ではない。ハイケムにとって先生のような存在ですね。
今後もOATアグリオ様の事業にとって優位になる原料や中間体などについて、より安く、よい品質のものを提案していくことがハイケムとしてのミッションだと考えています。

Win-Winの関係構築とケミスト同志の友情が10年以上にわたる信頼関係のベース

金文:「お互いにとって事業面でプラスになることが大切」

──10年以上にあたり、パートナーシップを継続できている理由はどこにあると思いますか?

中川様: 10年以上、一緒に様々な仕事をやらせていただいていることになりますよね。やっぱり信頼関係が築けているからなんじゃないかなと思います。

金文: それもそうですが、やっぱり、OATアグリオ様と一緒に事業を進めて、お互いの会社において利益が出ている点が一番大きいと思います。

中川様: お互い、Win-Winの関係が築けていないと続かないですよね。

金文: 色々なプロジェクトを一緒にやらせていただいて、もちろん全部が成功したわけじゃないですけどね。

中川様: でもほとんど成功していますよね。成功率9割くらいはでているんじゃないかな。やはり最初の農薬原体のプロジェクトから始まって、結果がついてきているということなんじゃないかなと思います。

金文: OATアグリオさんからは中国案件であれば弊社に依頼することがあるだろうし、弊社からも中国で安くてよいものがあれば提案させていただきます。お互いにとって事業面でプラスになることはやっぱり大切ですよね。

中吉: あとはやっぱり、ケミスト同志、個人的に気が合うというのも大きいですね。

ご協力いただいたお取引先様
OATアグリオ株式会社様 

会社概要
会社名: OATアグリオ株式会社(英語名表記:OAT Agrio Co., Ltd.)
本社所在地: 〒101-0052 東京都千代田区神田小川町1-3-1 NBF小川町ビルディング8F
会社設立:2010年9月28日
代表取締役社長 岡 尚(おか ひさし)
事業内容:農薬・肥料の研究開発、製造及び販売

OATアグリオ㈱ 中川博文様

1992年に徳島大学の薬学部の修士課程を修了後、当時の大塚化学の農薬部門の研究所に配属。OATアグリオとして分社化後も生産技術などに携わる。主に農薬の原体、中間体の製造にかかわる研究開発に従事。