HighChem Story

ハイケムの今を伝えるメディア

ハイケム、マレーシアでSEG®プロジェクトを始動!

マレーシア最大の州であり、豊かな自然と多様な文化を持つサラワク州。現在、このサラワク州が世界から有用な投資先として注目を集めています。同州はマレーシア最大の天然ガス生産量を誇り、豊かな水力資源を活用した合計約3.5ギガワットの水力発電所が稼働していて、2035年までに15ギガワットに拡張することを計画しています。ハイケムは、5月にサラワク州政府所有のサラワク・ペトケムとMOU(覚書)を締結し、保有するSEG®技術を活用したビジネスを現地で展開していくことに合意しました。

本日は、ハイケムのマレーシア・サラワク訪問の様子をお伝えすると同時に、サラワクで計画が進む、SEG®プロジェクトの全容についてご紹介します。

中国以外で初、マレーシア・サラワク州でSEG®プロジェクトを始動!


右)YBhg. Dato' Mohammad Haji Ibrahim (CEO of Sarawak Petchem)
左)ハイケム(株) 代表取締役社長 高 潮

ハイケムは、マレーシア・サラワク州政府所有のサラワク・ペトケムと2025年5月にMOU(覚書)を締結しました。本覚書の目的は、ハイケムが保有するSEG®技術(合成ガスからエチレングリコールを製造する技術)を活用し、サラワク州ビンツルの石油化学工業団地において、両社が協力してプラントを開発・建設することです。

また、サラワク州における持続可能な目標の推進およびハイケムのグリーンケミカルのグローバルな社会実装実現に向けた取り組みを加速するため、サラワク州の豊富な天然資源を活用した将来的なプロジェクトの枠組みも本MOUに組み込まれています。建設予定のSEG®プラントにおいて、まずは天然ガス由来の合成ガスを初期原料としますが、今後は同国で開発が進む再生可能エネルギー由来のグリーン水素や、バイオマス由来のCO2への原料転換も進めていく方針となっています。

アバン・ジョハリ サラワク首相を表敬訪問


本MOUの締結式に先立ち、ハイケム一行はサラワク州のアバン・ジョハリ首相を表敬訪問しました。表敬訪問の席上、アバン・ジョハリ首相は、覚書の調印に至るまでのペトケムとハイケムの急速な進展を称賛するとともに、ハイケムがサラワクで発展することを歓迎する意向を強調しました。さらに、アブダビ港などの国際的な港との今後の協力を通じて、サラワクでハイケムの技術によって生産された製品の物流ネットワークが拡大することを保証しました。

水素エコノミーフォーラムのラウンドテーブルにハイケムの小西事業部長が登壇


MOU締結式が行われた「水素エコノミーフォーラム」において、ハイケムC1事業部の小西事業部長がラウンドテーブルにパネリストとして登壇しました。ラウンドテーブルでは、ハイケムの事業紹介を始め、サラワク州で展開予定のSEG®プロジェクトの優位性や、今後の原料のグリーン化への道筋について、英語でプレゼンテーションを行いました。

プレゼンテーションでは、SEG®技術が中国で既に23件のライセンスを実現し、累計生産能力が1,000万トン/年に達していること、またこれらのプラントの稼働にあたり、年間130万トンの水素を活用していることなどを紹介し、サラワク州で本プロジェクトを推進する魅力について語りました。さらに、原料として当初は天然ガスを使用し、段階的にグリーン水素やバイオマス由来のCO2へとシフトしていく方針にも触れ、「CCU(カーボンリサイクル)の観点からも、水素は現地の産業で利用されることが最も効率的である」と述べ、サラワク州におけるグリーン資源の活用と川下産業への投資に対する意欲を示しました。

ビンツル工業団地のSEG®プラント建設予定地などを視察


最終日には、州都のクチンから工業団地のあるビンツルへ移動し、現地を視察しました。同工業団地には、昨年サラワク・ペトケムが稼働を開始した年産175万トンのメタノールプラントがあり、川下製品の生産に向けた投資が活発化しています。同プラントに隣接する土地がSEG®プラントの建設予定地として確保されており、ペトケムの幹部・技術者とともに現地を視察しました。さらに、一行はメタノールの輸送に利用されている桟橋も訪問し、プロジェクト推進に向けてさらなる協力体制を確認しました。


年産175万トンのメタノールプラントの航空写真
当工業団地内においてSEG®プラントを建設予定