HighChem Story

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第2回「Generation Bridge」~つながる想い、つづく挑戦~
高 潮会長・高 裕一社長親子対談

2026年1月、ハイケムは新体制をスタートさせました!
創業者である高 潮会長から高 裕一新社長へ。この大きな節目を記念して「ハイケムストーリー」では連載企画「BRIDGE TO THE FUTURE~新体制が描く未来への懸け橋~」をお届けします。

連載第2回のテーマは「Generation Bridge ~つながる想い、つづく挑戦~」。高 潮会長と高 裕一社長による親子対談です。
「社長交代はどのように決まったのか?」「お二人の価値観で似ているところ、違うところは?」「1兆円達成に向けて何が重要なのか?」――今回の対談では、若手・中堅社員を中心に社員から質問を広く募集し、普段はなかなか聞けないお二人の本音に迫りました。当日の温度感をそのまま皆さまにお届けできるよう、当日のライブ感を重視した会話形式の記事に仕上げています。

創業から30年以上にわたりハイケムを牽引してきた会長の想い。そして、新たな時代を担う社長の決意。世代を超えてつながる価値観と、未来へとつづく挑戦の物語をぜひお楽しみください!

会長・社長の価値観 ~似ているところ、違うところ~

会長と社長の性格、物事の考え方など、似ていると思うところはどこですか?


(会長)あまり似てないかな(笑)。でも敢えて言うなら、物事をよく考えるというところが似ている。彼を見ていると考えて、考えて、考え抜くというところがある。ここは僕ととてもよく似ているんじゃないかな。

(社長)あとは未来志向なところ。お互いに過去のことにはあまりこだわらないタイプかも。

(会長)人間には「過去に生きている人・現在に生きている人・未来を向いて生きている人」の3タイプがいて、このなかでは二人とも「未来を向いて生きている」タイプ。「今日はどんなに苦しくてもいつかは必ず良くなる、明日は絶対に良くなる」と考えている。

会社経営においても彼は「会社はずっと成長していく」という風に信じ切って、その成長を楽しんでいるようにも見える。こういうところで彼と僕は本当に同じ視点を持っていると思います。

未来志向であるという点が同じということは、この事業承継において重要でしたか?


(会長) 重要ですね。社長という仕事は悩みが多く大変な仕事ですからね。将来の楽しみがないとやっぱり耐えられない。

では、お二人の仕事観や価値観で違いを感じる場面はありますか?


(会長) 大きな差はないけど、細かいところでいえばやっぱりこれまで経験してきたことが二人の間では随分違うかな。その経験から学んできたことが二人の間では違う。僕が中国から来日したのは32歳の時で、バックグラウンドは中国にあります。一方で彼は幼少期から日本で育ってきた。

(社長) そうですね。生きてきた時代も社会も違うので物事の捉え方は結構違うんだけど、ベースとなる基本的な大きな考え方は違わないかな。

ハイケムの社風で一番好きなところはどこですか?


(会長) チャレンジ精神。なんでもできるし、なんでもやってみようという精神が根付いている。

(社長) 僕もそうかな。あとはピンチに強いところですね。

世代をつなぐ ~社長交代に込めた想い~

社長に就任が決まった時はどんな気持ちでしたか?


(社長) 社長に就任することが正式に決まったのは昨年8月のグループ取締役会の時だったので、正式に決まったその瞬間の感情でいえば、他の取締役の方々が賛成してくれたことがうれしかったですね。

ただ会長からは(前身である)21世紀商事を立ち上げた頃から「いずれきみがやるんならうんちゃらかんちゃら」みたいな話をたまにされていたので、何かを改まって考えるというわけではなかったですね。

社長が幼少期の頃から事業承継の話は家族でされていたのですか?


(会長) 初めの頃はやっぱりこの会社が本当にやっていけるかどうかわからないから、ただただ必死です。だから最初はそういう話をしたとしても、息子が継げるくらいのしっかりした会社にしたいという気持ちでした。でも少しずつ規模が大きくなってきて、従業員の生活や取引先に対して社会的な責任が出てくると、現実的に次のバトンを誰に渡すのかということを考えなくてはいけなくなって、話すときの気持ちも変わっていきました。

いまでは700人に迫る社員がいていずれは1,000人を超えていきます。社長はその家族に対しても責任を持たなければいけないし、先々まで見て会社をどうやって安定させていくかということはずっと考えてきました。

当社は上場していないので、家族が跡継ぎである方が日本の社会では一番受け入れられやすいのではないかと思ってきたので。そのことを彼も小さい頃から感じ取っていたのかもしれません。

新体制になり具体的にどのような変化がありますか?


(会長) 急に変わることはないかな。会社が続いていく限り世代交代は必ずある。これを機に日常の社長業務は彼に任せて、僕が最後の仕上げをやるということになるかな。

実はね、社長業は面倒くさいことも含めて色々とやらなければいけないことがたくさんある。どうしても顔を出さなければいけない会合とか(笑)。そういうことは彼に任せて僕は中国での仕事により時間を割けるようになるのではないかなと考えています。

(社長) そうですね。社内運営のことで言うとそんなに大きく変わることはないと思います。
対外的な面でいえばこの社長就任をきっかけにお客様のところに顔を出して、直接お客様の声を聞いて回ることを大事にしたいと考えています。当然、社員が築いてきた信頼関係がある上での話だけど、いま日中関係があまり良くないなかで、日本文化や商習慣をより深く理解している僕が直接足を運ぶことで「ハイケムはしっかりと日本のことも分かっているんですよ」ということを改めて知ってもらう良い機会になるのかなと思っています。


1兆円達成への道筋 ~人材育成と新たな挑戦~


ハイケムの長期目標:売上高1兆円達成にあたり一番重要なポイントは何だと思われますか?


(会長) 僕はね、ハイケムが1兆円を達成することはそんなに難しいことではないと考えています。なぜならハイケムには面白い種がたくさんある。この種を蒔いて、実行力をつけて育て、仕事を完成させられれば、十数年後には必ず1兆円の達成は見えてくる。

ただその実った果実をどうやって維持して、さらにどうやってその後も成長を続けていくのかを考えると、やっぱり「人の成長」が欠かせない。だからこそたくさんの若者を会社のなかで育てていかなければいけない。「人の成長」は1兆円達成、そして達成後もより成長をしていくためには欠かせないポイント。
この点について、僕は彼にとても期待をしています。

(社長) 同感です。これまでハイケムはわりと特別な教育をしなくても自分で仕事を見つけて育つ人を評価してきた文化があります。ただ、ある程度の教育は必要でも育てると大きく花開くようなタイプの人もいるわけで、より幅広い人材を育成できるようにしたいですね。

あとはなにか種があったとして、本当は時間をかけて育てたらかなり大きく育つんだけどなというときに、ちょっと早いけど刈り取っちゃえって短期で刈り取るタイプの人も、じっくり忍耐強く大きく育ってから刈り取るタイプの人も、いろんなタイプの人が評価されるようにしたいですね。

会社が急成長する中で現時点ではあまり重視されていないものの、今後重視されるようになると新社長が考えているポイントは何ですか?またどのように取り組んでいかれる予定ですか?


(社長) 昨年、若い中国人社員の子がどっと東京本社に入社してきて強く実感したことが、ちょっと前に比べて日本に来る若者のモチベーションや理由がだいぶ変わってきているなということです。
中国から日本に来た昔の若者には「日本でチャンスをつかんで身を起こすぞ」というモチベーションが少なからずあって、ハイケムはそういった若者の原動力によって大きく成長してきたんだと思っています。
でも最近は中国での競争に疲れて、競争の少ないゆっくりした環境を好んで日本への留学を選ぶ新世代の若者が増えていて、この考え方はこれまでハイケムの成長を引っ張ってきた文化とは全然違う。
この世代の若者に対しては単に昔の苦労話を伝えるんじゃなくて、何がこの会社の競争力や成長力の源なのかとか、何をどうやれば仕事がうまくいくのかという経験を伝えていかないといけないですね。

ただ、いまの若者がそんな苦労話や経験を「こうしなきゃいけないよ」ってそのままぶつけられても、反発を持つ気持ちもわからないでもない。だから両方の気持ちがわかる30代中盤から40代前半くらいの、我々ぐらいの年代が間にフィルターとして入ることで、下の世代にもうまく伝わるといいなとは思う。それこそ社内での『Generation Bridge』を懸けていかないといけないと考えています。人材は企業の競争力そのものですから。去年の新入社員の雰囲気を見ていると、すこしやばいかなと思っています(笑)。

ハイケムがこれまで取り組んできた生分解性材料やレドックスフロー電池※などの新技術が、研究開発から社会実装への移行段階にあると感じています。
新技術についての今後の戦略やお考えを聞かせてください。


(社長) レドックスフロー電池はいまメーカーポジションとしてトライしようとしていますが、結局プロダクトアウトの一番難しいところは本当に市場のニーズがあるかどうかですね。

研究の成果としてどれだけ良いものができたとしても、お客様が必要としていないものを一生懸命開発しても全く意味がない。

だからハイケムがずっと文化として得意としているお客様のニーズをうまくつかむことがここでも重要になると考えています。メーカーポジションであっても、市場に一番近い「顧客の意思決定者の本音の課題」 というか、何に悩んで何を求めているか、コアな部分を自分たちでつかむ体制をちゃんと整えていかなければいけないと感じています。

(会長)生分解性材料だと高分子量PLA※であるとかSC-PLA※なんかは中国での社会実装といった良い方向性が見えてきて、楽しみかな。

(社長) そうですね。この分野でも技術開発をしている人たちと、市場のニーズの間には一つ壁がある。新しいものの良さは理解するけど、高いお金は払いたくないというのがマーケットの考え方です。いい技術を広げていくためには、その新しい技術をどうやって既存の技術と肩を並べるまでコストダウンできるかということを必ず考えていく必要があるわけで、じゃあどうすればいいかといえば大量に作ってコストダウンできる国、つまり結局は中国でつくっていかないとダメだと思います。ハイケムはその橋渡しとしての役割をこれから果たしていく。



※レドックスフロー電池:次世代蓄電池。ハイケムでは電池材料研究所で製品開発を行っている。
※高分子量PLA:重量平均分子量が30万以上のポリ乳酸(PLA)。
※SC-PLA:ステレオコンプレックスPLA。高い耐熱性と耐久性を有するポリ乳酸(PLA)。

これまでの30年は中国経済の高度成長期であり、これに伴い当社も成長してきましたが、今後中国経済がダウントレンドであると言われています。このような環境下でどのようなことをすべきだとお考えですか?


(会長) それこそ、チャンスがたくさんあふれるのではないかな。日本の30年前と同じことが中国で起こるわけですから、これはまさに我々が日本での暮らしの空気として体感し経験してきたことです。この経験をどうやって中国に応用するのかということをよく考え、チャンスを見つけていく。

経済が劇的に伸びている時は需要で溢れているから商品は安く作れば売れるし、これまで中国にとっては低成長やデフレの環境でもどうにかして市場のニーズを掘り起こして売ってきた日本のノウハウや経験はそれほど必要なかった。でもこれからは必要です。だから我々にとってはこれからの方がチャンスは多いと思います。

これまで、いつもハイケムは危機の時にチャンスを見つけて成長してきました。これからも同じで、どうやって自分の専門分野を深く掘り下げ、重要なテーマを見つけていけるかにかかっていると思います。

(社長) 今後、中国でも経済の中身が変わってくると思っています。不動産がGDPの3割というところから、いまそれを変えようと中国は頑張っていて色々新しい挑戦をしています。また会長が言ったように今後は劇的な成長ではなく、安定した社会のなかでどのような商売をしていくのかというのが中国国内でもテーマになってくると思います。

安定した劇的でない日常の生活とか環境のなかで、人々がどんな商品やサービスを求めるのかということについては、もう十分に経験してきた日本に我々は本社を構えているわけですし。中国の高度経済成長が踊り場にある今だからこそ、逆にどんどんやったらいいかなと思います。

次世代へのメッセージ ~成長と価値創造~

ハイケムが新たなステージに進むなかで、若手や中堅社員に今後期待している点は何ですか?


(会長) 早く成長してほしいですね。みんな早く成長してほしいです。そうしないと会社の成長には全然ついていけないですから。

(社長) あとは、やる気のある人が昇進しますということですね。
時代が進んで経済的に豊かになると「人並みでいいや」と考える人が増えるのは当たり前のことなのですが、それでも油断しているとやる気のある人にどんどん追い抜かれていきますよということです。会長がいつも言っていますが、人は自分で望んだ以上に大きくはなれません。

ハイケムの今後の戦略として特に重点を置きたいとお考えの領域はどこですか?


(会長) 人材育成システムの構築ですね。
組織的に皆一緒に早く成長していくということが一番重要。バラバラでも、でこぼこでもダメ。皆一緒に組織的に成長していくことが重要です。成長戦略にはこのシステムの構築が欠かせないと考えています。

(社長) そうですね。ひとりひとり違うので結果的にはバラバラでこぼこになると思いますが(笑)。全体の底上げを目指すという意味です。さっきも触れたように若手社員はハイケムの創業からのやり方というか、競争力の源泉がまだわかっていない。

仕事の考え方とか進め方、これからどう発展させていくのかとか、経営者から一本通じたルートでいかにスムーズに伝えていくのか、まずはここから整えていきたいですね。

ハイケムとして今後も変えてはいけない強み、価値観は何だとお考えですか?


(会長) ハイケムがどうやってこれまで食べてこられたのか、これを考えることが基本の基本です。わたしたちは創業以来、お客様に自分たちの価値を提供することで成長し続けることができました。

一番重要なことはやっぱり、「自分に価値を見出すこと、そしてお客様にその価値を提供し続けること」だと思います。価値を創造し続けないと世の中にはいらないものになってしまう。

(社長) それこそが「We are the Bridge」という精神に集約されていると思います。どんな時代でも誰かと誰かを繋ぐ懸け橋は必要ですが、懸かったあとでも通る人が通行料を払い続けたくなるような橋にならないと(笑)。

(会長) こういうところから考えると、変えられないものは自然と出てくるのではないかな。