ハイケムで働く日本人座談会
検証:日本で多国籍人材として活躍するとは
そこで、今回の「ハイケムで働く人」では、この特異な多国籍環境で活躍する日本人社員に焦点を当て、社歴の異なる2名の社員に参加いただきました。
ハイケムのカルチャーやお二人が感じる日本と中国の違い、ハイケムの働きやすさなど、ハイケムの特徴についてお話いただいています。
菊地さん
山形大学で高分子材料の研究に従事し、修士課程まで修了。卒業後、プラスチックフィルムメーカーにて6年間勤務。生分解性樹脂などの新素材の研究に興味を持ち、2022年6月にハイケムに入社。
北山さん
台湾の大学院を卒業後、2009年に「日中の架け橋」というハイケムの標語に惹かれ就職。当時は新規ビジネスであった食品添加物の部署に配属となり、部門の成長を支えてきた。
日本人がマイノリティとなるハイケムへ入社したきっかけ
——ハイケムは日本人が3割というマイノリティになる環境ですが、お二人の入社はいつですか?
北山 私は2009年7月入社で、今年で14年目になります。
——北山さんは確か、台湾の大学院をご卒業されているんですよね?
北山 そうですね。台湾に留学して経済と貿易の勉強をしていて、活かせるところがないかと探していたとき、エージェント経由で紹介されたのがハイケムでした。ちょうど、会社として業態を拡大していて、食品添加物の取り扱いを新たに開始した時期で、その新しい部署に配属されました。顧客リストもないまったくゼロからのスタートで、当時は本当に大変だったのを覚えています。
——菊地さんが入社されたのは結構、最近ですよね?
菊地 入社は2022年6月です。山形の大学院を卒業後、プラスチックフィルムメーカーに6年勤務してハイケムへ転職しました。
——ハイケムへの入社を決めたきっかけは何でしたか?
北山 中国語を使って中国で働きたいと思っていて商社という選択肢もありましたが、「日中の架け橋」というハイケムの標語が目に留まり、ハイケムで働きたいと思いました。当時、面接で社長に「飲めるか?」って聞かれたのを覚えています(笑)。
——菊地さんが入社されたきっかけは?
菊地 前職の会社では、コンパウンドといって、市販の樹脂を混ぜ合わせることで機能性を出す仕事をしていました。そのなかで、この会社の素材でなければ思った通りの機能が出ないといったケースも多くあり、選ばれる素材に価値を感じ、自分も価値ある樹脂を作ってみたい気持ちが強くなったことが転職のきっかけです。
そして、いろいろな会社を探していたところハイケムを見つけました。今、注目を集めている生分解性樹脂といった新しい分野の研究開発を行う仕事のポジションの募集であり、これは本当に楽しそうだという気持ちが強くなり、ハイケムへの転職を決めました。
ハイケムのカルチャー:スピード感がありチャレンジできる場所
——お二人ともハイケムに入られての年数は違いますが、どのようなところにハイケムのカルチャーを感じますか?
菊地 僕はまだハイケムに入って1年ですが、必要なこと・価値あることに対するリソースの割き方やスピード感の速さが、すごく特徴的だと感じています。
前の会社では何かやるにしても「本当に上手くいくのか」「時間や費用をかける必要があるのか」と、グルグル考えることが多くてなかなか一歩を踏み出せず、設備投資も少なかったように思います。
良い結果が出なかった場合の損失を考えると、じっくり考慮する時間も大切です。でも、会社が力を割いて「これを頑張るんだ!」と方向性を出してくれると、実際にチャレンジする僕たちのモチベーションになります。
北山 入社当時は新規立ち上げでゼロからのスタートでしたけど、いろいろな人と繋がりを作って、グローバルな仕事のネットワークを構築できました。
そしてこれからは中国からの輸入だけでなく、中国やタイ、東南アジアを含めた海外へ仕事を出していく方向で動いています。上司をはじめ、いろいろな人から助けられて基礎を作れましたし、自分がやりたいことを伝えれば、チャレンジできる会社なのかなと思います。
日本のことも中国のことも両方勉強している中国人が多いところは、ハイケムの強みです。忙しく頑張る同僚たちを見ていると、自分も中国のことを勉強していかないといけないと刺激を感じます。
検証:中国人の上司や同僚との関係性は?
答え:上司も第一線で動き、フラットに意見を出し合える
——ハイケムは中国人の上司がつくことも多いと思いますが、日本人の上司との違いは感じますか?
北山 中国人の上司だと、日本と中国の両方をわかっているから相談しやすいですね。日本人の上司だったときは、中国についてわからないこともあったから、両方の事情を熟知しているのは大きいです。
仕入先が中国になることが多いので、我々日本人も、中国を知る努力が必要です。日本のお客さまからは、中国の仕入先や市況などについて詳しく聞かれますので、これらのニーズに答えられるようにする必要があります。お客さまから「ハイケムさんから聞いたことが役に立った」と感謝されるのは嬉しいですね。
菊地 日本人上司と中国人上司の違いというより、ハイケムに入って感じた上司との関係ですけど、上司も積極的に作業をしてくれているのが印象的です。人が少ないからというのもあると思うんですけど、技術や知識、ノウハウを直接教わる機会があるのはありがたいなと思います。普通の会社だと、部長クラスの人から技術を学ぶって、なかなかないんじゃないでしょうか。
——ハイケムでは、上司も第一線で働いていて、実務家な人が多いですよね。
北山 確かにそれはありますね。現場をわかっている人が上司だと、いろいろな問題も対応できて、いいかもしれないです。あと、今の直属の上司とはずっと一緒にやってきた経緯があるので、上司と部下というより仲間的な感覚もあります。
菊地 結構、上席の方でも全体的に動いている人が多い会社ですよね。
——本で読んだんですが、日本人は役職が上るに連れて働かなくなるけれど、中国人は現場をわかっていないと下からの尊敬を得られないから上に行けないそうです。
北山 なんか、本当に年々忙しくなっています。売上が上がって嬉しいですけど、前よりも忙しい。みんなそうだと思うけど、一人で何個もやっているからでしょうね。社長もすごく、出張して動いていますからね。
菊地 動き回っていますよね。
——確かに、楽しそうですね。
菊地 その点はハイケムのカルチャーかと思っていましたが、中国のカルチャーなんでしょうか?
——本に書いてあったことの受け売りなのですが、そういうこともあるかなと読んでいて腑に落ちました。
北山 挑戦できる反面、ある程度結果も出さないといけないプレッシャーはありますね。これは、ハイケム自体のカルチャーかもしれませんけど、頑張ってやっていかないとと思います。
——同僚との関係はどうですか?
菊地 普通、年次が違う社員とは「先輩・後輩」みたいな関係になると思いますけど、ハイケムに入ってからはみんな「仲間」みたいな、フラットな関係ですね。だから意見もすごく言いやすいですし、今まで所属してきた組織とは違いを感じる部分です。
北山 営業の場合、ハイケムでは、一人で仕入から販売まで一貫してやる人が多いんですね。みんな担当も違うし製品も違うから。全部を一人でやるのは忙しいですけど、仕入の状況もお客さまの状況も一貫してわかるので一人ひとりの成長スピードが早くなるのかなと思います。
そして、一人ひとりが独立しているからこそ、困っていたら日本だけでなく中国やアメリカの同僚も助けてくれる文化が醸成されています。そこがハイケムの企業カルチャーというか、スピード感持って進められる部分であり、もしかしたら強みなのかなと感じます。
検証:ハイケムは働きやすい会社か?
答え:残業も少なく自分の仕事に集中できる会社
——ハイケムは働きやすい企業ですか?
菊地 人によって感じ方は違うかなと思いますが、ハイケムで働く中国人はみんな日本語を話せるので、壁を感じるところはなかったですね。前職と比べて中国人の多い環境だから何か違うかと言われれば、僕はそんなに差を感じていません。
会社として必要なことへは時間もお金もかける体質だから、モチベーションを感じやすいです。そして、僕としては今のところワークライフバランスも取れていて、仕事も私生活も充実していると思います。そこはかなり、働きやすい会社だと思えるポイントですね。
——残業も多くないんですね。
菊地 そうですね、ほとんど定時で帰れます。研究所に勤務しているので、たまに夜勤はありますが、週40時間の枠から勤務時間がはみ出すことはありません。もし、はみ出してもどこかで休みが取れます。そういう働き方ができる点も、僕はすごくいいなと感じます。
——ハイケムで働くようになってから、趣味に使える時間も増えましたか?
菊地 趣味はインドアで、ゲームをしているんですが、打ち込める時間も以前より増えました。
あと、同僚が中国の文化を教えてくれることもあり、中国への興味も湧きましたし、自分ももっと中国を知らなきゃと思っています。それで、試しに中国語を覚えたり、中国語の本を読むことにも挑戦しています。まだ話せる状態じゃないですけど、漢字を覚えれば文章はちょっと読めそうです。
北山 売上が上がって忙しいですけど、自分の仕事に集中できて、人間関係で煩わされることがあまりないのもいいですね。
——サッパリした、居心地の良さはありますね。仕事に集中できるのは良いですね。
北山 あと20代の頃から中国のいろいろなところへ連れて行ってもらえて、経験を積ませてもらえたのはありがたいです。コロナのときはできませんでしたけど、お客さまとも一緒に中国へ行ったり、仕入先を回ったりしてきました。
中国の仕入先とも10年以上の付き合いで、だいぶ仲良くなって、お互いに関係を構築できたと思います。関係作りの機会を与えてもらえる点でも、働きやすい会社です。
これからハイケムに入社する日本人へメッセージ
——ハイケムはこれから、日本人もどんどん採用するようですが、今後入る人へのメッセージや心構えがあればお願いします。
北山 ハイケムには、挑戦しやすい風土があります。問題を解決する能力も必要ですが、私がハイケムでいろいろできたのも、意欲を見せればチャレンジできる場所だったからです。
菊地 僕も意欲を持ってハイケムへ入れば、大きな問題はない気がします。自分が何につまずいているかをちゃんと発信しないとダメですが、困ったことがあっても周りが助けてくれる環境です。
「中国人の比率が多いから、ちょっと不安」というイメージを持っているなら、それは気にしなくても大丈夫です。国籍や文化が違っても、そこに不安を感じる必要はありません。
北山 入社当時は新規立ち上げ部署に入ったこともあり、ゼロイチ状態で大変でしたが、とにかく動いてきた結果、大きく売上を伸ばせました。知識や経験を活かし、意欲を持ってハイケムでチャレンジしに来てほしいです。