ニュースリリース

2021年10月01日 プレスリリースC1ケミカル事業

ハイケム、陝西省楡林市に北方本部を設立
楡林の地の利を生かした日中の架け橋事業を強化

ハイケム株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:高潮(たか うしお)、以下ハイケム)は、中国の北方エリアを統括する地域統括会社「高化学(陝西)管理有限公司」(以下、北方本部)を陝西省・楡林市に設立し、10月1日より営業を開始します。北方本部の開設により、ハイケムの北方エリアの機能集約によるシナジー効果の発揮と楡林の地の利を生かした日中の架け橋事業を強化してまいります。

ハイケムは1998年の会社設立時より、上海支店の開設を皮切りに中国の主要都市に11拠点を設けてまいりました。現在では、連結売上高(2020年度 570億円)に占める中国の売上高は6割を占め、340億円を超えています。楡林市における北方本部の設立により、ハイケムの中国北部のリソースを統合し、国際貿易を中心に展開する上海エリア、重慶エリアと共に中国エリアにおける安定成長を図ります。

新オフィスについて

北方本部は、楡林経済開発区清水工業団地内に8月16日に設置されました。当本部は、楡林市にとって初の外資系統括会社です。よって、楡林市からは、ハイケムの日中の架け橋としての貢献に大きな期待が寄せており、8月20日に開催されたハイケム北方本部のオープニングセレモニーでは楡林市市長をはじめ楡林市の大手企業も参加して大々的に開催され、地元のテレビ局や新聞にも報道されました。

名称:ハイケム北方本部
法人名:高化学(陝西)管理有限公司
住所:中国陕西省榆林市榆神工业区清水工业园汇源大道榆神大厦501


楡林経済開発区清水工業団地で開催されたオープニングセレモニー

北方本部・設立の目的

1. 中国北方エリア機能集約によるシナジー効果の発揮
北方本部は技術の研究開発、技術ライセンス事業、国際貿易及び投資管理を統括する包括的な本部です。陝西、山西の北方地域には、中国の大手化学企業が多く集まり、種類多い化学品を製造しています。北方本部はこの地域に根を下ろし、これらの化学企業と良好なリレーションを構築し、当社の販売ネットワークを存分に活かして製品の国内外の販売機会を獲得します。また、当社のC1ケミカル技術や日本企業が持つ優れた化学品の製造技術と現地メーカーの製造能力と効率良く融合させ、新たな価値を生み出すことに努めることで、新たな技術開発と投資機会の創出を行うとともにシナジー効果を最大限に発揮してまいります。

ハイケム北方本部統括範囲

2. 豊富な資源と産業集積地に隣接する楡林の地の利を生かした日本企業との架け橋事業の強化
陝西省は河南、四川など人口が多い省と隣接しており、自動車、包装、建築、紡績などの産業を含めて、原料立地とマーケット立地の両方の優位性を有しています。また、楡林市における巨大な石炭化学コンビナートから製造される価格競争力のある化学品や石炭から化学品を生成する過程で得られる副生の水素にも恵まれています。

これらの恵まれた環境により楡林市は日本企業への誘致活動を積極的に行っており、ハイケムでも誘致会の開催などの支援を行ってまいりました。また、中国の大手石炭開発企業である陝西煤業化工集団公司(以下、陝西煤化)が行う2兆円規模の石炭化工コンビナート建設事業の主要プロジェクトの一つである、石炭をクリーン活用し、得たガスからエチレングリコール(ポリエステルの原料)を製造する世界最大の年産180万トンのプラントへのSEG®技術のライセンス※と事業投資を行っています。このプラントは今秋には工事の再開が予定されており、今年中には生産を開始する予定です。

更に広大な工業団地と豊富な資源を活用し、石炭に限らず多様な炭素源を素材に転化できるSEG®技術をベースに二酸化炭素やバイオマスを原料としたエチレングリコールの開発をはじめとする様々なグリーン技術の開発にも着手してまいります。また、楡林の地の利を生かした日本企業との合弁事業の立ち上げなどを積極的に行い、日中の架け橋事業を一層強化することでよりサステナブルでグローバル規模の事業を創造してまいります。

※SEG®技術:合成ガスを原料とし、非石油由来でエチレングリコール(ポリエステル製造原料の一種)を製造する技術のことです。この技術は、宇部興産株式会社が保有する技術をベースにしており、宇部興産がDMO技術を当社にライセンスし、当社が中国企業にDMOを含めたSEG®技術をライセンスするという形で、ライセンスビジネスを展開しています。

陝西省・楡林市について

投資規模7.5兆円!世界最大級の石炭化学基地を企画する楡林市とは
中国の陝西省・楡林市は埋蔵量300億トンを誇る石炭や天然ガス、岩塩などの豊富な資源に恵まれた中国随一の資源産出都市です。また国が指定した四大現在化学産業モデル区の一つで2025年までに7.5兆円の投資を行い、世界最大級の石炭化学基地の建設を計画しています。

計画面積最大の開発区である楡林経済技術開発区には、中国の有力企業である、延長石油や陝煤集団、神華集団などが大型投資を行い、オレフィン、芳香族炭化水素、エチレングリコール、燃料油、ファインケミカルをそれぞれ年産500万トン規模で生産する構想を抱いています。また、楡林において豊富な石炭を原料にして化学品を製造することは、生産コスト、製品品質の面において優位性を持つことからより川下の産業への展開にも注力しています。

【このリリースに関する報道機関からのお問合せ】
ハイケム株式会社 広報室 担当:黒岩(090-6539-4213)
TEL:03-5251-8580  E-mail:koho@highchem.co.jp