グローバルに事業を展開する化学品商社兼メーカーのハイケム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:高 潮(たか うしお)、以下「ハイケム」)は、マレーシア・サラワク州政府所有のSarawak Petchem Sdn. Bhd.(以下、サラワク・ペトケム)と2025年5月9日にMOU(覚書)を締結し、5月13日にサラワク州で開催された「Hydrogen Economy Forum」にてサラワク州政府立ち合いの元、両社間で覚書の交換を行いました。

本覚書の主な目的は、ハイケムが保有する合成ガスからエチレングリコールを製造するSEG®技術を活用し、マレーシア・サラワク州・ビンツルの石油化学工業団地において、両社が協力してプラントを開発・建設することです。また、当SEG®プラントにおいて、まずは天然ガス由来の合成ガスを初期原料としエチレングリコールを製造しますが、徐々に同国で開発が進む再生可能エネルギーを用いて製造されるグリーン水素やバイオマス由来のCO2への原料転換を進め、「グリーン・エチレングリコール」の製造を目指します。この先進的な取り組みにより、サラワク州の持続可能目標の推進及びハイケムが推進するCCU技術(Carbon dioxide Capture, Utilization)などのグリーンケミカル技術の世界規模での社会実装を加速してまいります。
豊富な天然資源を有するマレーシア・サラワク州の川下産業発展へのロードマップと持続可能性目標
サラワク州は、ボルネオ島に位置し、マレーシア最大の天然ガス生産量を誇ります。また、豊かな水力資源を活用した、合計約3.5GWの水力発電所が稼働しており、州の電力供給の基盤となっています。 このような豊富な天然資源を戦略的に活用するため、州はガスロードマップを策定し、川下産業へのグローバルな投資を誘致しています。これにより、日本をはじめとする世界の先端技術を有する企業からの注目を集めており、昨年にはサラワク・ペトケムが年産175万トンのメタノール工場を稼働させるなど、同州への川下製品生産への投資が活発化しています。 さらには、二酸化炭素回収・枯渇ガス田を利用した貯留(CCS)の開発、豊富な水力資源を用いたグリーン水素の製造、バイオマス発電など、持続可能な社会へ向けた取り組みも加速しています。 このようにサラワク州では、ガスロードマップと持続可能な社会実現に向けた目標の両立を図り、州全体の長期的な経済成長と環境責任の実現を目指しています。
ハイケムの「グリーン・エチレングリコール」の社会実装に向けた取り組み
ハイケムは、C1技術をベースにポリエステル原料のエチレングリコールやパラキシレンをCO2から製造する技術及び触媒開発、さらには社会実装に取り組んでまいりました。特に、CO2からエチレングリコールを製造する「グリーン・エチレングリコール」製造の技術開発においては、保有するSEG®(合成ガスからエチレングリコール)技術をベースに技術開発及び社会実装に努めています。 SEG®技術に関しては、合成ガスからエチレングリコールを製造する技術ライセンスについて、中国を中心にマーケティング活動を展開し、総生産能力1,000万トン/年、合計23件のライセンス契約を締結し、ラボレベルの技術を商業化につなげた実績を有しています。またこれらのライセンシーに供給する触媒の量産実績等、商業化に不可欠な競争力と安定性も大きな強みです。 これらの競争力と、優れたマーケティング力及び技術力をベースにグリーンケミカル技術の社会実装をグローバルに推進してまいります。
ハイケム株式会社(highchem.co.jp)概要
ハイケムは、化学品商社兼メーカーとして、商社部門では医薬や食品、農薬などのライフサイエンス分野から最先端のエレクトロニクス部材まで幅広い製品や技術を取り扱っています。また、メーカー機能を主体としたサステナ部門では、日本と中国に4つの研究所と触媒量産工場を保有。年産1,000万トンのライセンス実績を誇るC1系SEG®技術を基盤にCO2を活用して化学品を製造する脱炭素技術の開発・商業化を始め、バイオ化学技術、蓄電池システムの開発にも注力しています。今後もより革新的な製品・技術とサービスを軸に、グローバルに事業を展開してまいります。
会社名:ハイケム株式会社
所在地:東京都港区虎ノ門1丁目3番1号 東京虎ノ門グローバルスクエア11階
代表取締役:高 潮(たか うしお)
事業概要:化学品の輸出入販売・受委託製造/技術ライセンス関連業務/触媒製造販売/生分解性材料販売等
【このリリースに関する報道機関からのお問い合わせ】
ハイケム株式会社 広報室 担当:黒岩(090-6539-4213)・陳
TEL:03-5251-8580 E-mail:koho@highchem.co.jp
ハイケムの技術ライセンス事業についてはこちらから https://highchem.co.jp/services/license/ ハイケムのグリーンケミカル事業についてはこちらから https://highchem.co.jp/services/greenchemical/