ニュースリリース
ポリ乳酸(PLA)を使用したフィルム分野で新技術開発
2社共同でPLAインフレーション成膜法フィルムを開発
ハイケム株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:高潮(たか うしお)以下、ハイケム)と株式会社高速(本社:宮城県仙台市 代表取締役社長執行役員:赫裕規(てらし ゆうき)以下、高速)は、このほど、生分解性プラスチックでトウモロコシ由来のポリ乳酸(以下、PLA)と海洋生分解性プラスチックのポリヒドロキシアルカン酸(以下、PHA)をブレンドしたインフレーション成形法による新製品:「PLAインフレーション成膜法フィルム」を開発しました。また、同フィルムは、欧州ハイブランドのスーツカバーとして採用されるなど幅広い分野での応用が期待できる製品です。
軽包装資材の専門商社大手の高速と生分解性材料を幅広く取り扱うハイケムは、兼ねてより生分解性材料の開発や拡販について相互に協力、推進してきました。今般の提携により、これまで製造が困難とされていたPLAとPHAを使用したインフレーション成膜技術を開発しました。
ハイケムの幅広い生分解性材料の原料調達力や開拓力に加え、高速の卓越した製品開発力及び販売力を掛け合わせて協働することで、生分解性材料を使用したインフレーションフィルム分野での新たな需要開拓を開始しています。
業界初、生分解性プラスチックフィルムの新しい加工アイデアを提供
高速の卓越した販売力と創造力のある提案
高速は、1966年の創業以来、軽軟包装資材分野で着実な業容拡大を続けており、1600社以上の調達先と14万点以上の取り扱い品目で、パッケージソリューションを提案しています。
パッケージング分野に特化し、「無ければ作る」をモットーに包装資材のみならず各種販促ツールを制作し、包装に関わる機器を販売するなど、幅広く事業を展開しています。
ハイケムの生分解性材料分野における原料調達とマーケット開拓力
ハイケムは中国最大のポリ乳酸(PLA)メーカーである安徽豊原集団有限公司(豊原集団)と事業戦略パートナーシップ契約を締結するなど、生分解性材料のマーケット開拓にいち早く取り組んでまいりました。また、PLAのみならずポリブチレンアジペート/テレフタレート(PBAT)や海洋分解性樹脂(PHA)など合計7種類の生分解性材料を輸入販売する体制を構築しています。また、2021年12月には、次世代のPLA素材「HIGHLACT®(ハイラクト®)」を発表し、アパレル向けのPLA繊維の開発にも取り組んでいます。
欧州ハイブランド向けスーツカバーとして採用
従来、アパレルスーツの輸送にはPE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)等の汎用樹脂やバイオ素材を一部のみ使用されたフィルム製品が流通していました。今般、高速とハイケムが新たに開発した画期的な技術により、100%バイオマスかつ生分解性を有する「PLAインフレーション成膜法フィルム」が、欧州ハイブランド向けスーツカバーとして採用されました。
本スーツカバーは植物由来のバイオマス樹脂をフィルム成膜するため、環境負荷低減が可能な素材として脱炭素社会に貢献します。またJBPA(日本バイオマスプラスチック協会)の生分解性バイオマスプラマークも取得しています。
抗菌効果
今般開発されたスーツカバーは黄色ブドウ球菌や大腸菌に対して強い抗菌効果を発揮し、輸送中や保管中の制菌作用も期待されます。
PLAインフレーション成形法フィルムのスーツカバー
今後の展開
現在、気候変動や海洋ゴミ問題などの地球全体の環境課題に対して、企業活動を通じた取り組みが必要とされる中、両社はPLAやPHAを利用した技術の開発・市場展開を行い、新たな価値創造に取り組むことで、持続可能な社会の実現に向けたソリューション提案を行っています。また、持続可能な社会の実現に向けて、温室効果ガスの排出量削減と環境に貢献する製品の創出に取り組んでいます。地球環境への課題解決に向けて、サーキュラーエコノミーへの移行は必須であると認識しています。石化由来原料の使用をできる限り削減し、既存の天然資源を有効活用して社会経済活動を循環するという考えのもと、広くソリューションを提案してまいります。ハイケムは2024年10月29日~31日幕張メッセにて開催のサステナブル マテリアル展に出展予定です。
ハイケム株式会社 概要
会社名:ハイケム株式会社
所在地:東京都港区虎ノ門1丁目3番1号 東京虎ノ門グローバルスクエア11階
代表取締役:高潮(たか うしお)
事業内容:化学品の輸出入販売・受委託製造/技術ライセンス関連業務/触媒製造販売/生分解性材料の販売等
株式会社高速 概要
会社名:株式会社高速
所在地:宮城県仙台市宮城野区扇町7丁目4番20号
代表取締役社長執行役員:赫裕規(てらし ゆうき)
事業内容:食品軽包装資材の販売、食品容器、フィルム、ポリ袋、ラミネート、紙製品、包装機械・設備の販売等
【このリリースに関する報道機関からのお問合せ】
ハイケム株式会社 広報室 担当:黒岩(090-6539-4213)・陳
TEL:03-5251-8580 E-mail:koho@highchem.co.jp