SEG®ライセンス事業

ハイケムでは、UBE株式会社と共同で中国のエネルギー関連企業などへの
SEG®技術のライセンスビジネスを幅広く展開しています。

SEG®技術とは?

SEG®技術とは合成ガスを原料とし、非石油由来でエチレングリコール(ポリエステル製造原料の一種)を製造する技術のことです。原料には、石炭、天然ガス、産業排気ガスなどの幅広い原料を利用することができます。そのため、各種廃ガスを有効利用し、CO2削減効果が見込めるエコな技術として注目を集めています。また、バイオマス原料やCO2を原料とするエチレングリコールの製造についても研究開発を進めています。

環境負荷が低く、経済性の高いプロセス

エチレングリコールは従来石油を原料として作られる「エチレン法」が主流でしたが、C原子利用率は70%と低く、1/4はCO2として排出されていました。しかし、SEG®法では、C原子利用率95%を実現しており、環境負荷が低く、経済性の高いプロセスです。よって現在では中国で製造されるエチレングリコールの半分がすでにSEG®法により製造されています。

工業化実績

ライセンシング実績の一部:企業名及び生産能力

ハイケムがこれまで締結したSEG®技術のライセンス契約数は合計23件、総生産能力は年産約975万トンに達しています。このうち、600万トン以上が商業運転を開始しています。また、石炭や天然ガスなどのエネルギー源のみならずカーバイドや鉄鋼の生産過程で排出されるオフガスも利用できます。全ライセンス中、75万トンはこのオフガスを原料として使用しており、これらのプロジェクトが全て稼働した場合、年間125万トンのCO2排出削減につながります。(2024年9月現在)

  • C1ケミカルを用いた、世界初のSEG®プラント

    2012年に中国・新疆ウイグル自治区において、第1期目のエチレングリコールプラントが本格稼働を開始しました。このプラントは、カーバイドの合成ガスから高純度のエチレングリコールを高効率かつ安定的に製造する世界初のプラントとして高く評価されています。また、同施設では毎年4.8万トンのCOを消費しており、年間7.5万トンのCO2削減を実現しています。

  • 天然ガスを用いた世界初のSEG®プラント

    2019年11月、天然ガスを原料として使用する世界初のエチレングリコールプラントが本格稼働を開始しました。これは、新疆生产建设兵团天盈石化の15万トン/年のエチレングリコールプラントで、平均負荷104%の下で3日間優れた結果が得られ、計画生産能力及び産量は標準に達し、様々な指標における評価と承認も完了しています。

  • 製鉄所のオフガスを用いた世界初のSEG®プラント

    2020年8月、製鉄所のオフガスからエチレングリコールを製造する世界初のプラントが稼働しました。これは、中国の大手民営鉄鋼企業の完全子会社である山西沃能化工科技有限公司によるもので、年産30万トンのプロジェクトです。このプラントが通年で稼働した場合、年間56万トンのCO2を削減できる見込みです。

グローバル展開

ハイケムでは、これまで中国を中心にライセンス事業を展開してきました。このノウハウをベースに、今後はグローバルな展開を企図しています。天然ガスなどの資源が豊富で、開発が盛んなトルクメニスタン、インドネシア、中東諸国、ロシア、カナダなどにおいて、SEG®事業を展開し、更なる事業の拡大を目指します。